第五話 猫貴族、女神と再会する
この感じ久々だな~
「あら。驚かないのね秀一、いやルーク君。久しぶりね。」
「久しぶりじゃの。どうやら妾の加護も無事に受け取ってもらえたみたいじゃの」
「お久しぶりです、エステル様、アマテラス様。いや、だって前回教会に行けば会えるみたいなことおっしゃってたんでなんとなく会えるかな~って思ってました。アマテラス様の加護本当すごいですね!この5年間、風邪すら引きませんでしたよ。」
「そうじゃろう。まあただ強靭な身体というだけではないから今後も期待するがよいぞ」
「では、ルーク君に力を授けるわね。」
「え?僕は既に漆黒魔法を授かっているのでは?」
「違うわ。私の加護の力で魔眼をあなたに授けるわ。この魔眼は魔力を通すと魔力そのものが見えるようになるわ。きっと役に立つから今後の人生に役立ててね。」
「ありがとうございます。これまた厨二心をくすぐられる力ですね。ところで、エステル様にお聞きしたいことがあったのですが…屋敷にあった本を読んでみると100年程前に神罰で滅んだ国があるとか書いてあったのですがもしかして…?」
「想像通りよ。クロエに手を出し、世界を破滅へと傾かせた愚か者たちが住む街を神罰で消し飛ばしたわ。でも街だけだから国そのものを滅ぼしたというのは少し語弊があるわね」
(ひょぇ~。この二人には逆らわないでおこう。うん、ダメ絶対。)
「そんなに心配しなくても大丈夫よ。本来神は余程のことでない限り、地上に干渉できないから。今回のケースは放置すると他の神獣にも手を出しかねないからしょうがなく滅ぼしたけど。」
「それは仕方ないですね。他の神獣たちに危害が及ばないよう僕も地上で気を付けますね」
「ちょうどそれを頼もうと思っていたの。ルーク君さえ良ければ他の7体の神獣に会いに行って世界の安定に力を貸してほしいの。クロエが戻って5年経って少しづつ安定してはきているものの、場所によっては魔力溜まりや淀みが発生しているのから。でも急いで欲しいって訳ではないから気長に協力してくれると嬉しいわ。」
「なるほど。そこで魔眼を活用しろということですか」
「その通りよ。なんだか騙したようでごめんなさいね。」
「わかりました。たくさん力も頂きましたし、微力ながら協力させて頂きます」
「少し頼もしくなったの。ルークよ。これも妾の加護の影響かもしれんな」
「どういうことですか?」
「まだ実感はないかもしれぬが、そなたが過ごした地球に比べ、メネシスでは死の危険がより身近に存在する。そこで命を奪うことをためらったりすると、自らの命を危険にさらすことになるじゃろ。そういったことが起こらぬよう、肉体だけでなく精神もメネシスへ対応出来るようにしてあるということじゃ。」
「確かにいきなり人を殺せとか言われても難しかったかもしれませんね。ありがとうございます。積極的に人を殺して回りたいとは思いませんが、いざという時は躊躇しないよう気を付けます。」
「それがよいじゃろう。それではそろそろ時間じゃの。」
「ルーク君、また教会に会いに来てね。あなたの人生に加護を。」