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漆黒の猫貴族  作者: オヤジ
第一章 幼少期編
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第四十六話 猫貴族、魔力溜まりを処理する


そこにあったのは、ボブゴブリンの洞穴で見た魔力溜まりだった。

その魔力溜まりの横には割れたビンが横たわっていた。

このビンが原因か?

いや、考察よりも処理が先か。


「これは一体なんだい?魔力を感じるからただの水溜りって訳じゃなさそうだし」


「あんまりいい感じはしないね」


オークを倒し終えたクリスとティアが側にやってきた


「これは例の魔力溜まりだね。どうしてこんなところにって疑問はあるけど」


「何か出てきてるよ!ルーク君」


三人で話していると魔力溜まりからまた新たなオークが現れようとしていた


「こんな感じで魔物が沸き出る原因となるから処理しないといけないんだ」


そう言いながらオークの首を刎ねる。


「相手も見ずによくそんな正確に首を刎ねれるね」


「これ以上沸いてもなんだし、処理しちゃうね」


漆黒吸収(ブラックホール)


前回魔力溜まりを吸収した影響か40cm程になったブラックホールが魔力溜まりをみるみる吸収していく。

魔力溜まりに含まれてた魔力が僕の魔力に変換されていくのを感じる。


「それが漆黒魔法か。まるでそこに何もなかったかのように…。お祖父様が恐れるはずだ。」


「ルーク君のそれ(漆黒魔法)見るの久しぶりだけど相変わらずすごいね。」


ティアに漆黒魔法を見せるのははじめてネーロ領を訪れた時以来か。

それと陛下とクリスに漆黒魔法がバレたということは家族とネーロ家のみんなには言ってある。

ほとんどの家族は陛下に隠し事をせずに済んで安心していたけど、唯一陛下の妹であるヘレナおばあちゃんだけは光の神獣について知らさせていなかったことにプリプリと怒っていた


「これで処理は終わったんだけど、今回の件どう思う?」


「私とティア嬢は途中から合流しただけだからあまり状況は掴めてないが、この割れたビンが原因であろうことはわかるな」


「そうね。このビンから薄らとさっきの魔力溜まりと同じ魔力を感じるものね」


「2人もどうやら僕と同じ意見のようだね。魔力溜まりはこのビンを用いれば人為的に作れる」


「しかし一体誰がこんなものを…」


「おそらくブランデンだ。正確に言うならマクレガー公爵家が絡んでると思って間違いないと思う。」


「確かにブランデン君たちAクラスのテント辺りから魔物が現れたって聞いたけど、何か確証があるの?」


そこから僕は助けに入った時にブランデンの取り巻きが言おうとしたこと、ブランデンがそれを必死に隠そうとしたことを2人に告げる


「それは間違いなさそうだね。私からお祖父様には報告しておく。しかし今回の件の原因は秘密にしておこう。ただ、2人ともネーロ家とロッソ家に報告して注意を促しておいてほしい」


「このビンはどうするの?隠した方がいいと思うけど、今は魔法の鞄もないし」


「それなら僕に任せて」


『影収納』


「え、もしかして魔法で収納したのかい?」


「ルーク君その魔法なに!私そんなこと出来るなんて教えてもらってないんだけど!」


珍しくティアが拗ねてて可愛い。


「ちょっとルーク君なに笑ってるの!私怒ってるんだからね」


「ごめんごめん。拗ねてるティアが可愛くてつい。普段は魔法の鞄を使ってるから忘れてたんだよ!

やり方教えるから許してよ、ね?」


「そ、それなら許してあげる。でもそれ闇魔法でも出来るの?」


顔はまだ赤いままだが、許してくれるようだ。


「普通なら多分出来ないけど、ティアなら出来るかもしれないね。今度の休みに教えるよ!」


【影収納】は漆黒魔法の一つではあるが、精霊の補助付のティアならば全く同じようのものは無理でも、闇魔法でも同じような空間は再現出来るはずだ。


「イチャつくのは後にしてもらって、魔法で収納出来るならこのオークも収納してもらってもいいかい?

流石にこの惨状はちょっとね…」


クリスの声で辺りを見回すと、確かにオークの死体がそこら中に転がっており、凄惨な景色となっていた。

僕たちは見える範囲のオークの死体を片付け、先生や他の生徒たちがいる方へ向かった

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