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漆黒の猫貴族  作者: オヤジ
第一章 幼少期編
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第四話 猫貴族、神授の儀式に参加する


~2年後~


フェリシア姉さんの神授の儀から2年の月日が経ち、僕は5歳になった。


あれからの2年間は、家族やメイドたちの目を盗みながら、ひたすら簡単な魔法の行使を続けた。

なんでも魔力を使い切ることで、魔力の保有量があがるらしいからだ。


実際、この2年間かなりの魔力量が上がったと思うし、女神様特製の身体でなかったらとっくに漏れ出る魔力で父さんや母さんにバレるところだったと思う。


魔力の増やし方はもう一つあって、魔力を持った生物を倒すことで、その生物が持つ魔力が身体に流れ込むそうだ。前の世界のゲームのレベルアップに近い考え方なのかな?


まだ5歳で外に出ることの出来ないので、部屋の中でこっそり魔法の練習をしていたわけだ。


コンコンコン


「ルーク様。ご準備はよろしいですか?」


ノックと共にメイドのサーシャに声を掛けられる。


「うん。出来たよ!じゃあ神授の儀に行こっか」


「玄関の前に馬車をご用意しておりますので、そちらへお乗りください」


サーシャに続いて玄関をくぐり、馬車の前で父さんと母さんを待つ。


「準備は万端のようだな。」


「あら。お出かけ用の服もよく似合ってるわね」


父さんと母さんが来たので3人で馬車に乗り込む。


これから馬車で移動し、領内にある教会へ向かう。


「ルーク。念のために言っておくが、父さんと母さんはお前がどの属性の魔法を授かろうとも何も言うつもりはない。たとえ魔法を授からなかったとしても親子であることを忘れるなよ」


「そうよ。ロッソ家は火魔法に優れた家だなんて言われるけど闇魔法でもかまわないのよ。うふふ」


せっかく父さんが良いこと言って感動してたのに、母さん欲望だだ漏れだよ…


「ありがとう!父さん母さん。なんとなく魔法は使える気がするんだ」


そんな会話をしていると、御者から声がかけられる


「旦那様、教会へ到着致しました。」


「うむ。ご苦労であった。さあルーク行くぞ」


馬車を降りると、教会の前に真っ白のローブを来た40歳ぐらいの男性が待っていた。


「辺境伯様、奥様。本日はようこそおいでくださいました。」


「久しいな、ルーカス司祭殿。今日は次男ルークの神授の儀式をよろしく頼む。ルークご挨拶しなさい。」


「お初にお目にかかります。ロッソ辺境伯家が次男のルーク・ロッソと申します。今日はよろしくお願いします。」


「これはどうもご丁寧に。はじめまして、私はエステル教の司祭を務めます、ルーカス・アルベルダと申します。それにしても5歳とは思えない程、ご立派ですね」


「はっはっは。褒めても何も出んぞ。それに今年は領内で5歳を迎える子どもが多いと聞いている。少ないかもしれんがこれは気持ちだ。受け取ってくれ」


と言いながら父さんが布袋を一つ手渡す。おそらく金貨が入っているのだろう。


「ありがとうございます。辺境伯様のお蔭でロッソ辺境伯領内では全ての子どもたちが神授の儀式を執り行うことが出来ておりますので」


実は神授の儀式は教会側のボランティアではなく、儀式にかかる費用は領主が支払うことで成立している。


貴族主義の貴族領なんかに行くと、平民は神授の儀式を受けられないなんてこともあるそうだ。


(本当父さんの子で生まれてよかったよ。これが平民は税を納めていればいいザマス!なんて言う貴族家に生まれてたかもしれないと思うとゾッとするな)


「では、こちらへどうぞ」


ルーカス司祭のあとに続き、教会内に入っていくと、なんとも神秘的なオーラを放つ像の前にたどり着いた。


「こちらが女神エステル様の像です。それでは神授の儀式を執り行いますので、ルーク様は女神様の前で膝をつき、お祈り下さい」


言われるがままに膝をつき、エステル様の像へ祈る


(エステル様、アマテラス様、無事5歳を迎えることが出来ました。)


「女神エステル様よ。聖なる力を授けたまえ。」


ルーカス司祭がそう言った時、女神像が光だし、僕の視界は真っ白に包まれた。


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