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漆黒の猫貴族  作者: オヤジ
第一章 幼少期編
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第二十一話 猫貴族、王都へ向かう

ご覧頂きありがとうございます。今日は少し短いです。


初めての魔物との闘い以降、他の魔物との戦闘経験を積みながら無事8歳になる年を迎えた。

結構な数の魔物を倒すことが出来たので、魔力量もかなり増えた。


訓練や勉強、魔物との戦闘訓練となかなかハード生活を送ってきたが、暇を見つけでは漆黒魔法もクロエから学び、新しい魔法に挑戦している。


しかし、ここで僕は重大なことに気付いた。

友達と呼べる存在が全くいないのだ。

ティアは婚約者でクロエは猫だし…

これに気付いた僕は慌てて両親に友達が欲しいと直談判した。


「はっはっは。ルークも普通の子どもみたいな一面があって安心したぞ。心配せんでも学園に行けば友達は出来るさ」


「それに貴族の子どもたちは入学式の一週間前に王城で開催されるお披露目会があるからそこでお友達を作ればいいわ~」


簡単なことのように母さんは言ってくるが、この8年間ティア以外の子どもと碌に会話もしてこなかった精神年齢30歳オーバーの僕がどう考えても、他の貴族の子どもたちと上手く話す姿など想像出来ない。


(くっそ、このままだとボッチになってしまう。なんとか作戦を考えないと…)


そしていよいよそのお披露目会への参加と学園の入学へ向けて、王都へ出発することとなった。


「ではオーガスト留守の間頼んだぞ。何かあれば執事のセバスを頼ればいい」


「安心して任せろよ、親父。セバスも頼んだぜ」


「そんなだから心配なんだかな…。」


そんな様子に兄さんの隣に控えていたロッソ家が誇るパーフェクト執事のセバスも苦笑を浮かべている。

兄さんは僕と入れ替わりで学園を卒業し、ロッソ領へ帰ってきた。

剣を扱わせたら同年代で相手がいない程の腕前で、僕も何度か相手をしてもらったが、全く歯が立たなかった。

しかし、肉体派の父さんよりも脳筋気味で、今は毎日領土運営について必死に学んでいるようだ。


「じゃあ兄さん行ってくるね。長期休みには姉さんと帰ってくるから。」


「おう。楽しんで来いよ。」


兄さんたちが見送ってくれる中、僕たちは王都へ向けて出発した。

王都にはロッソ家の別邸があるので、そこから学園へ通うこととなる。

別邸へ移り住むにあたって、専属メイドのサーシャもついて来てくれることとなった。


王都へは距離としては7日程だが、今回はネーロ家へ行った時のように急ぎの旅ではないため、貴族としての責務として間の街に滞在する必要があり、王都までは10日程かかる見込みとなっている。


お披露目会の3日前には王都へ到着する予定で、その後は入学試験と入学式が予定されている。

貴族は入学試験で落ちることはないが、結果によってクラス分けがなされるので、下手な成績を取ると一目で周囲に結果がバレてしまうため、必死に高得点を目指す。


ロッソ辺境伯領を出ていくつかの街を通り過ぎ、予定通りの10日目には王都の巨大な街が見えてきた


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