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漆黒の猫貴族  作者: オヤジ
第一章 幼少期編
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第十六話 猫貴族、精霊石を見つける

ご覧頂きありがとうございます。


結局ティアは白いワンピースを購入した。シルクスパイダーという魔物の糸で出来た服らしく、銀貨10枚では買えなかったそうだが、どうやら護衛の人が余分にお金を持っていたようだ。


その後はお昼時となったので、これまた公爵家行きつけのレストランへ向かいパスタを食べた。

公爵領は穀倉地帯で小麦が特産品のため、パスタ料理が非常に人気だそうだ。

ティアはお気に入りのワンピースを買えたことで終始ご機嫌だった。


そして今僕たちは本屋に来ている。

これは僕のリクエストで連れてきてもらった。

屋敷やネーロ家にないような面白い本がないかと期待したからだ。


「魔導書や魔物図鑑、屋敷で見たことあるのばかりだね」


「ルーク君、これなんてどう?」


ティアが探してきたのはある冒険者が綴った旅の紀行ものだった。

他の神獣と会うために将来は色んな国を回ろうと思っていた僕にとってピッタリな本だった。


「さすがティアだね!良く本を読んでるだけあるね!」


「私も読んでみたいなと思ったから、どうかなと思ったの」


「じゃあ読み終わったらティアに貸してあげるね」


本を貸す約束を取り付け、僕は手に持っていた本を購入した。

姉さんは来年からの学園の入学に備え、最新の王都に関する情報誌を購入していた。


最後の店として、宝石などを装飾したアクセサリー店を訪れた。


ここも流石に公爵家が利用する店とあって、ルビーやエメラルドといった高級品がズラリと並べられていた。


(ティアに何か買ってあげたいなと考えてたけど、とても買えそうにないな)


そのままアクセサリーの入ったショーケースをふらっと見ていると、店の隅にある黒い石をはめ込んだシンプルなネックレスが目に入った。


(これ普通に見ただけじゃわからないけど、奥にすごい魔力が眠ってるね)


(また珍しいものを見つけたにゃ。これは精霊石にゃ。主の魔眼がないと普通の人には見つけられないにゃ)


(精霊石?精霊っているの?)


(精霊石は力を失った精霊が眠る石にゃ。そもそも精霊は神獣をサポートするための存在にゃ。この子は多分あたしがいなくなったせいで力を失って眠ってしまったにゃ。これはなんとしても買ってほしいにゃ)


(黒い石だから闇の精霊が眠ってるってことか。わかった買うよ)


その後いくつかクロエに確認を取り、店主へと話しかけた。


「すみません。ここの黒いネックレスって何の石で出来てるんですか?」


「あーこれはいくら鑑定士に頼んでも何かわからなかったんです。でもとても綺麗な石でしたのでネックレスにしてみたのがこちらの商品です」


「ちなみにおいくらですか?」


「銀貨8枚です。石も宝石って訳ではありませんし、石もそのままはめ込んだだけですので、その分お安くなっております」


「ではこちらを下さい」


無事ネックレスを購入し、ネーロ家の屋敷へ帰るために馬車へ乗り込んだ。


「ねぇルーク、どうしてそのネックレスを買ったの?」


姉さんがニヤニヤして聞いてくる。

ティアもチラチラとこちらを見ては目をそらすのを繰り返している。


「夕食の時にみんなの前で話すよ」


「まぁー」


「これはティアが本当に妹になりそうね」


「そ、そんなまだ決まった訳では…」


二人は僕の答えを聞きキャッキャウフフと盛り上がっている


(でも結果的には間違ってないからいっか)


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