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回復職の悪役令嬢  作者: ぷにちゃん
エピソード2 錬金術師のプレイヤー的育成方法
27/161

1 ケットシーの島に到着!

長らく更新止まっていてすみません~!

しばらくゆっくりペースですが、再開です!


そして本日、書籍の発売日です。

無事発売できたのも、応援いただいたおかげです。ありがとうございます。書籍版もどうぞよろしくお願いいたします!

 私は船にゆられながら、水平線の先を眺める。今までは何も考えずに見ていたけれど、あの向こうにケットシーの村があるなら話は別。

 早くケットシーの村に行きたいよ~~!


 そう、私たちは今、〈ケットシーの村キャトラ〉へ向かっている途中なのです。

 目的は、トルテの妹の病気を治すこと。ダンジョン〈エルンゴアの楽園〉で手に入れた希少な薬草〈楽園の雫〉で薬を作る予定だ。


 テンションが上がりすぎて、私の顔はとってもだらしないことになっているだろう。しかし自分では止めることができないのだから、どうしようもない。ああ、早く島に――って、島だ!!


「ねえねえ、島があるよ! もしかして、あそこがトルテの故郷の……」

「そうにゃ! あそこがケットシーの村がある島にゃ」

「わあああぁぁぁっとと」


 私は感動のあまり船から乗り出して、うっかり海に落ちそうになった。そこをすかさず助けてくれたのは、フレイだ。


「はしゃぎすぎだ、シャロン……そんなに楽しみだったのか?」

「それはもう……! ケットシーの村に行くことは、私の人生の夢というか、それくらい行ってみたい場所だったの!」

「そ、そうか……」


 若干フレイが引いている気がしなくもないけれど、仕方がない。私は景色を見たり冒険をするのが大好きで、この世界はドキドキが止まらないのだ。


 改めて座り直して、私は島をじっと見つめる。そんなに大きくはなさそうな島で、外形はどこか丸みを帯びているように感じる。

 ……もしかして、島の形が特徴的だったりする?

 たとえば上から見たら肉球の形をしている島だったりするかもしれない。今すぐ見たいけれど、残念ながら私は空を飛ぶ手段は持っていない。とても残念だ。……聖女になったら飛べるかな? まあ、無理かな……。


 リーナが「もうすぐ着くよ~」と波の様子を見ながら告げた。


「シャロンは初めてだから、簡単に説明しとくね。船が着くのは村じゃなくて、近くにある野原。そこはモンスターが出てくるから多少の戦闘があるけど、そこまで強い奴は出てこないから安心していいよ」


 なるほど、村に行く前にフィールドを通らないといけないのか。想定の範囲内なので、特に問題はない。私は「了解!」と返事をする。


「もともと苦戦する場所じゃないし、シャロンの支援もあるから余裕で進めるはずよ」

「なら、力になれるよう頑張らないとですね」

「期待しているわね」


 ルーナの言葉にぐっと拳を握ると、キラキラした瞳で微笑まれてしまった。どうやら、ルーナは私の支援をかなり気に入ってくれているみたいだ。たぶん、〈身体強化〉など体力面に直結しているスキルが後衛職に地味に役立っているのだろう。




 それからしばらくして、私たちはケットシーの島に到着した。


 船着き場――と言えば聞こえはいいけれど、実際は丸太がいくつか繋ぎ合わせられている桟橋だった。かなり木が痛んでいるので、壊れないかちょっと心配だ。

 リーナが言っていた野原は、なんとねこじゃらし野原だった……! ふわふわ、もっふもふのねこじゃらしが一面に生えていて、風でゆらゆらなびいている。黄金色の穂が眩しい。


 トルテが船をしっかり留めたのを確認してから、私は一番に船から降りる。

 思っていたよりも柔らかな土に、思わずドキリとした。若草が生えている地面は土の部分がほとんど見えず、まさに大自然という感じだ。


「なんだかドキドキしちゃう……」

「大袈裟にゃ」


 私の言葉にトルテが船の上から笑うけれど、私は真剣だ。

 とりあえず、ケットシーの村だけではなく、この島は隅々まで探検したいと思っている。村に〈転移ゲート〉があればいつでも来れるようになるので、チェックも忘れない。うん、やることが結構ありそうだね。


「シャロン、あとがつかえてるから早く進んでくれ」

「わわっ」


 感動している暇もなく、すぐにフレイ、リーナ、ルーナ、トルテが船から降りてきた。もうちょっと感動の余韻に浸りたかったのに、残念だ。


 ……あ、モンスターが出るんだったね。


「ひとまず……〈身体強化〉! 斥候のリーナには、〈女神の守護〉っと。モンスターが出てきたらその都度支援しますね」

「ありがとう」

「ありがとうにゃ」


 フレイたちのお礼に笑顔を返し、私は杖をぎゅっと握る。

 ――ここは、イベントのときしか知らない。

 なので、私の知らないモンスターが出てくる可能性がある。そのことは不安だけれど、ルーナ曰くモンスターはそう強くはないはず。ならば、私は冷静に判断して支援をしていけばいい。特殊なスキルの使い方も、たぶん必要ないはずだ。


 私が少し深呼吸をすると、先行したリーナの声が響く。


「……戦闘開始だね」


 ガサガサっとねこじゃらしの間から飛び出してきたのは――猫モンスターだった。

 え、可愛いんだけど?

ということで、ケットシーの島にやってきました。テンション爆上がりです。しかしモンスターは可愛い猫ちゃんです。ひえぇ。


書籍が発売しました!

加筆修正や書き下しやらマシマシにしましたので、ぜひよろしくお願いします。目指せ続刊!応援よろしくお願いします……!

書き下しの内容や特典SSは活動報告に書いたので、そちらでご確認いただければと思います。


書籍では、地理がわかりやすいといいなと思ったので地図を入れていただきました。


あとはとっても素敵なイラスト……!

表紙の神々しいシャロンをぜひご堪能ください。(なお中身は……)

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『回復職の悪役令嬢』特設サイト
小説2巻、コミック1巻が発売中です!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 連載再開お待ちしておりました。 肉球の形(?)した島は見てみたいです(笑) [一言] 書籍発売おめでとうございます! かなりの量を加筆されましたね、お疲れさまでした。内容がさらに充実してい…
[一言] >飛び出してきたのは――猫モンスターだった。 誰かチュール持ってませんか!?
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