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聖獣達の鎮魂歌~Requiem~  作者: 悠介
陸章 闇の前触れ

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3話 ソーラレス到着

「明日、ソーラレスに着きますね。大地さん、船酔い無くて良かったですね?」

「そうだな……。何事もなく、有難い……。」

 船に乗ってから一週間、何事もなく船は運航していて、大地の船酔いも起きる事はなく、きちんと薬は効いている様子だ。

「何か、あったか……?」

「え?」

「お主が、何かを憂いている様な……。そんな気が、したのだ……。」

 船の客室から海を眺めていた竜太は、気が付くと少し表情が険しくなってしまっていた様だ。

 眉間にしわが寄り、穏やかな丸い目は少し遠くを見ている、そんな竜太の機微に、大地は反応する。

 出発前のドラグニートの宿での事を思い出し、それと照らし合わせて竜太の感情を推察したのだ。

「何があるか、なんていうのはわかんないですけど……。何かが起こる様な、そんな気がして仕方がないんです。」

「悪い予感、という事か……。」

「そう、ですね。何か良くない事が起きる様な……、父ちゃんが何か言ってた様な……。」

「ディン殿が……?」

 この一週間のディンの言動を振り返り、何か言っていたかと考える大地は、何かヒントになる様な事を話していただろうか、自分達は何か見落としていないだろうかと考え、一つの結論に至る。

「仏の考え……。」

「仏様どうかしたんですか?」

「ディン殿が、仏には注意をと言っておった……。もしや、お主の悪い予感というのも、その言葉から……。」

 厳密にいえば、ディンは仏の考えには注意が必要かもしれない、と言っていた、それを大地が覚えているなりに思い出した言葉、竜太はその言葉を聞いて何かを考え込む素振りを見せる。

 仏教の祖、仏陀を頂点とした菩薩達の序列、そして、それらがもたらすかもしれない、悪い出来事の可能性。

「……。」

「仏陀が……。仏陀が、何か悪事を働くとは、思えぬが……。」

 十七年間、嫌々ながらに信仰をしていた身の大地にとって、やはり仏陀という存在は特別だ、良き存在の見本の概念の様な、仏教を生み出したという存在が、何か竜太の思う様な悪い事をするとは思えなかった。

 しかし、竜太を疑ったり否定したりするというのも、何か違う気がする、それは友を神聖化しているからというのもあるが、元来大地は誰かの意見に意味がないという考えを持たない、だから、竜太の言葉にも意味があり、その考えにも何かがある、と感じる。

「何も、起こらぬと良いな……。」

「そう、ですね。気のせいだと良いんですけど……。」

 海を眺めている竜太の顔は険しい、蒼い海を見ているがその瞳は海を映していない、それだけその予感に恐怖を覚えている、何か確信めいた物があるのだろうと、大地はそう感じた。


「さて、港到着だな。」

「これから仏様の所に行けば良いんだよね?」

「あぁ、皆を連れて行ってくれ。マグナでの戦争の事と、聖獣の守り手だって事を伝えれば、加護が受けられるはずだ。」

 ソーラレス西端、唯一の港に到着した一行。

ディン達指南役やピノ、明日奈は宿に泊まり竜太達の事を待つ予定で、ここからは六人で行動する事になる、竜太は緊張した面持ちで、五人もまた道中で餓鬼に襲われたら、などと考え少し緊張していた。

「馬車って何処で借りられるかな?歩きだと時間かかり過ぎるよね?」

「街の入り口に馬車の借り受けが出来る場所があるな、御者も頼めば雇えるはずだ。」

「わかった。」

 徒歩で移動するには距離が長すぎる、と感じていた竜太は、馬車がある事にホッとする、大地達も、それならば道中もある程度安心できるな、と気持ちが落ち着いた様子だ。

「お兄ちゃん、行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい、気を付けるんだぞ?」

 六人が歩き出し、蓮がディンに手を振ってバイバイをする、ディンはそれに手を振り返すと、指南役達を連れて宿へと向かった。


「あの、首都まで馬車で行きたいんですけど、行けますか?」

「旅人様がどの様なご用件で?」

「仏様に会いに行きたいんです、聖獣の守り手として。」

 聖獣の守り手、と聞くと、馬車の停留所の女性の顔つきが変わる、最高神である仏陀や菩薩から何か聞いているのか、静かに馬車を用意する様にと子供に言いつけ、竜太達の方を向いた。

「仏陀より聞き及んでおります。なんでも、マグナが戦争を起こしたのだとか。」

「はい。もう、ジパングにはマグナの人達が来てて、玄武の祠の村は壊滅しました。」

 もう、三か月以上前の話だ、竜太と大地がこの世界にきて最初に寄り付いた村は、マグナの使者によって滅ぼされていた。

 それを大地は思い出し、あの焼け焦げた村や人々を哀れに思う、聖獣の守り手を迎える為に祠を守り続けてきた村人達が、邪魔になるからという理由だけで、滅ぼされてしまったのだから。

「左様でございますか、それはお痛ましい。今馬車を用意させていますので、少しお待ちください。」

「ありがとうございます。」

 女性はそう言うとその場を離れ、六人だけが残る。


「大地君達の行った村、滅ぼされてたの?」

「うむ……。焼き討ちにあい、生き残った者は居なかった……。」

「私が目覚めて村に降りた時には、マグナの使者が村人を攻撃していましたが……。リリエルさんがその使者を倒したおかげで全滅はしませんでしたが、かなりの数の死者が出ていましたね……。」

 清華達は、初めて聞く事実に驚く、自分達が間に合った、或いは遭遇していなかったから、大地達も間に合ったものだとばかり思っていたのだ。

 蓮は大地達の状況を知らされていたからか普通な顔をしていたが、清華達三人の衝撃は大きい。

「間に合わなかったって事を、ディンさんは知ってたんか?」

「僕達が到着する三日前に、マグナからの襲来があったって話を聞きましたね。」

「じゃあ、ディンさんは知ってて守らなかったの?人間を守るのが守護者の役割じゃなかったの?」

「……。僕達竜神は、特に竜神王は、全ての世界を守るのが役割なんです。僕達が介入しなくても起こりえた事象や、異界の干渉を受けなくても起こりえた事象には、介入できないんです。」

 蓮は良く聞いていた、竜神の役割と竜神王の使命について。

 俊平は、ディンは人間を守る気は基本的にないとテンペシアが言っていたのを思い出し、それも納得だと考える、しかし、修平と清華はまだ、ディンが人間を守る役割を持っていると思っていた為、驚きが隠せない。

「では、ディンさんはわかっていて村が滅ぶのを傍観していた、と……?」

「そう、ですね……。でも、仕方がないんです。僕達竜神は、干渉しすぎてはいけない。生物の営みや生命の循環を阻害してはいけない、そう教わりました。」

「でも、人の命が失われてるんだよ……?」

 納得が行かない様子の二人は、眉間に皺を寄せる、それもそのはずだ、ディンは人類の守護者だとずっと思っていたのだから。

 修平に至っては、直接助けられたこともあるのだ、ディンのそんな非情な面を理解出来ないのも、ある種当然だろう。

「お兄ちゃん、すっごく難しい事お話するけど、でもほんとはみんな守りたいんじゃないかなぁ?」

「蓮君にはそう言っているのかもしれないですけれど……。」

「だってね?お兄ちゃん、すっごい悲しそうなお顔するんだよ?竜太君に難しい事お話してる時とか、村の人助けられなかった時とか、僕わかるもん!」

「父ちゃんは……。父ちゃんは、守りたい人の為にしか動きません。世界を守るのも、家族を守りたいという気持ち、それだけでやってます。でも、見捨てきれない気持ちもあるんだと思います。」

 蓮と竜太がフォローする、その言葉に偽りはなさそうだと、清華は感じる、修平はまだ難しい顔をしていたが、清華は外園邸で聞いた竜神の掟について思い出す。

「竜神の掟、それは破ってしまったら全ての世界が滅んでしまう、そう仰られていましたね。村の方々を守れなかった事と、関係があるのですね。」

「竜神の掟……?そういえば、ディンさんがなんか言ってた様な気もするけど。でも、それでも人間の命が奪われてるのって、嫌だな。」

「ディンさんは縛りがキツいんだろ?あと、あんま人間好きじゃねぇってのも、テンペシアに聞いたからわかるぜ?」

 俊平は、家族を人間に殺されたディンの考えが、少しわかる様な気がした、人間不信とでも言えば良いのだろうか、ディンにとって殺された家族というのは、それだけ大切な存在だったのだろう、と。

 俊平自身はあまり家族の繋がりが無く、そのあたりの感情が希薄な為共感は出来ないが、頭の何処かでそれも仕方ないだろうと割り切っていた。

「お兄ちゃん、人間の事嫌いって言ってたけど、違う気がするなぁ?だって、僕達だって人間だよぉ?」

「父ちゃんは、清らかな心の持ち主は好きだからね。蓮君も、大地さん達も、とっても澄んだ心を持ってるから好きだ、って言ってたよ。」

 ディンの話す心の清らかな人間、がどういった人間にが該当するのかは、竜太も知らない、ただ、確かに大地達聖獣の守り手達は皆、それぞれの優しさや素直さを持っていると感じる。

 それが判断基準の全てでは無いだろうが、それも判断基準の1つなのだろうとは推測出来る、事実として、魔物を減らすという名目ではあるが、ディンはセスティアにおいては児童保護を仕事にしている。

「父ちゃん、施設の子達と関わってる時も、優しそうですよ。一人保護した人に会った事ありますけど、その人も父ちゃんに心を許してた感じがしました。」

「確かに、ディンさんは何か、信じて良い様な気配を纏っていると言いますか、委ねても良いという雰囲気がある様な気はしますが……。」

「ディン殿は厳しいが……、不信は抱かぬな……。」

 ディンの瞳には、二種類の魔力が宿っている、母レイラから受け継いだ慈愛の魔力と、ディン自身が発現した安らぎの魔力があり、その二つがいったいどういった効果を持っているのかと言うと、有り体に言えば「守りたい相手に信頼を得やすくなる能力」であり、一種のチャームの様な魔力だ。

 それにより、ディンが守りたいと願った対象、例えば蓮などは、最初からディンを信じるきっかけをそれにより与えられたという訳だ。

 勿論、それが強力な力を以て信頼を強制する訳では無いが、何も思っていない相手よりも信頼されやすいというのは、事実だ。

「皆様、馬車が準備出来ましたので、お乗りください。」

「あ、ありがとうございます。」

 竜太がそれを話すかどうか悩んでいた所に、先ほどの女性がやってきた、馬車が一台用意されており、案内に従いそれに六人は乗車する。

「中央都市まで、どれくらいかかりますかね?」

「この馬は神通力により速度が上がっておりますので、一週間ほどで到着いたします。」

 馬に神通力と言う名の魔法をかけているのか、とジパングとの違いに少し驚く一行、女性が御者に声を掛けると、御者は縄を打ち馬を走らせ始めた。


「さて、どうなる事やら。」

「oh!何か悩み事か?」

「ちょっと、な。」

 宿に移動した指南役達は、一服をする三人とそうでない四人に分かれていた、喫煙所、などという場所はこの世界には概念的に存在しないが、煙草を吸わないリリエル達の前で、しかも屋内で煙草を吸うのは、少し違うと外に出てきたのだ。

「もしや、機関車の中で仰られていた、仏の考えという部分でしょうか?」

「そうだな、余計な事起こさないと良いんだけどって感じだ。」

 余計な事、とは何なのだろうか、と外園とウォルフは煙草とパイプを吸いながら考える、ディンはそれが起こり得る可能性を考え、どうするべきかを思案している様子だ。

「ディンさんの予想では、何が起こるとお思いなのですか?」

「そうだな、例えばこの国に生息する魔物である餓鬼、その産み落とされる理由、それと蓮の関連性。ってとこだな。」

「餓鬼ってのはどんな存在なんだ?それがわからん事には、謎解きもくそもないな。」

「口にすると物事起こるっていうだろ?」

 今の所何も起きていない、だからそのまま何も起こらないでほしい、そんな気持ちを、ディンが胸に秘めているのだろうと、二人は推測する。

 特に外園は、ディンの考えや感情をたまに聞きかじっている為、そう言う気持ちであるのだろうと確信していた。

「竜神王サンの感覚ってのは結構当たる様だからな、蓮が無事だといいが。」

「こればっかりは仏陀の出方次第な所があるからな、何かあったら介入する余地はあるけど、最悪加護が受けられない可能性もある。」

「加護ってのはそんな大事なものなのか?竜神の加護ってのも受けさせてたが。」

「加護を受けるって事は、力や権能の一部を借りるって事なんだ。例えば竜神の加護を受ければ、竜神の持つ魔力の一部を加護を通じて使う事が出来るんだ。」

 この世界において、の話に限定されるが、加護を受けるという事はそう言う意味を持つ、神の権能の一端に触れる、そしてその一部を行使する事が出来る様になる。

 竜神の持つ魂の守護や、仏の持つ神通力、精霊の持つ魔力などを、疑似的に使用可能になるという事でもある、それにはある種の素質が必要なのだが、千年前に世界を守った戦士の末裔、というのはその素質に値するだろう。

「最終的には俺の加護も乗っけるかもしれないな、竜神の加護だけじゃ足りない可能性もあるから。」

「ディンさんの施す加護は、どういった事が出来る様になるのでしょうか?竜神術が使える様になる、などですかね?」

「いいや、俺の加護って言うのは、魂に直接闇から身を守る力を与える事なんだ。俺の魔力をそのまま流しちゃったら、人間の体が持たないからな。」

 ディンの持つ魔力の元である光は、魂を闇から守る守護の効果がある、セスティアでの最終決戦の際も、竜太と悠輔に加護を与え、竜太自身の力が解放されたおかげで闇に飲み込まれなかった。

 それだけかと言われればそれまでなのだが、闇蔓延る地においては重要な意味を持つ加護だ。

 魂を浸食されてしまったら、竜神王であるディンの力を以てしてもそれを取り払うのは困難だからだ。

「デスサイド、彼の地に赴く場合、ディンさんの加護が必要になってくる、という事ですね?」

「聞いたり文献見たりした状態なら、多分な。」

「呪いの地ってのは、そんなに厄介なのか?」

「生ける者を死に追いやる呪い、って表現するのが正しいんだろうけど、デスサイドは悪しき魂が寄ってきてどんどんその悪性を強めてる、って話だったか。」

 テンペシア曰く、デスサイドはいつか世界を飲み込みかねない闇を抱え込んでいるとの話だった、それを竜神と仏、精霊の力でデスサイドの地に閉じ込め、溢れない様に蓋をしているのだと。

 しかし、それもいつかは防ぎきれなくなってしまうかもしれない、とため息をついていた。

「デスサイドも何とかしなきゃいけない、そんな気がするな。まあ、だから明日奈とピノに同行を頼んだわけだ。」

「ピノさんと明日奈さんのお力が必要になる、と仰られていましたね。」

「木を操る力と符術で、何とかなるのか?」

「二人とも、それだけの力じゃないって事だよ。」

 明日奈の符術も、ピノの木を操る力も、そのままではデスサイドの闇を払う事は出来ないだろう、しかし、ディンは何か算段がついている様で、代償は有れどそれが出来ると考えていた。

 その代償に二人が肯定するかどうかはまだわからないが、それ以外に方法はないとも。


「リリエルさんってどんな世界で暮らしてきたの?私、外界の事聞いた事しかないから気になるな!」

「私……?私のいた世界はそうね、戦争を国中巻き込んでしていた所ね。」

「ここみたいな感じ?じゃないのかな?」

「違いがあるとしたら、人間同士が争っていたという事かしらね。神なんていないと思っていたし、存在も知らなかったもの。神様がいて、なんていう御伽噺を信じる人間も殆どいなかったわね、自然信仰と言えばそうだけれど、自然、つまる所は木々や食料に息吹がある、という教えだったわね、だからこそ、何かを食べたりする時は祈りが必要だ、って言う事だったらしいわね。」

 ディン達が煙草を吸っている間暇だった明日奈が、リリエルに色々と聞きたそうにしていた。

 外界の事は知っていたが、クェイサーは中々外界の事を教えてくれなかった、だから、外界に興味があり、ディセントとセスティア以外にどんな世界があるのかを知りたいという、探求心が強い。

 セレンは先に部屋に行っており、女性達の会話に参加するつもりはない様だ。

「明日奈、出身はなんて所なの?」

「私?私京都で生活してたんだ、お父さんがお寺のお坊さんやってたかなぁ。」

「京都……?ジパング風な名前ね。」

「私はあんまり覚えてないんだけどね、六歳からこっちにいるから。」

 明日奈のセスティアでの記憶は無いわけではないが、ディセントに来てからもう十五年は経つ、だから、あまりセスティアに馴染みや執着がないというのも、おかしくはないだろう。

「明日奈はこっち来る時に、ちょっと時間がずれちゃってるだったっけ。向こうのお父さんからしたら、まだ一年ちょっとしか経ってないんでしょ?」

「そうだよ、だからお父さんが私を見たらびっくりするんじゃないかな?」

 明日奈はそう言いながら、少し寂しそうな顔をする、セスティアには思い入れはないが、男一人で育ててくれた父親には会いたいのだろう。

 父親の方も、明日奈が居なくなった理由についてはディンから聞いているのだが、明日奈に会いたがっている、明日奈が少し過去に飛ばされ、歳を重ねている事も知っていた。

「この戦いが終わったら、お父さんに会いに行ったら?会いたいんでしょ?」

「ディン君の力があれば、セスティアに行く事も出来るかもしれないわね。」

「……。この戦いが終わったら、だね。まずはこの世界を守らないと。」

 それはディンに対する恨みではない、クェイサーに対する恩義でもない、自分が生きているディセントという世界を、明日奈は純粋に守りたいと願っている。

「あたしも、ここが好きだから頑張らなきゃだわ。ノースディアンに、戦争持ってきて欲しくないし。」

「清華さん達次第な所が大きいかしらね、でも貴女達は戦いに参加する様だし、その気構えは大切よ。」

 リリエルは、自分達のいた世界も関わってくるのだから、ある種の焦りはあるだろう。

 復讐を遂げた後の事は考えていないが、しかし自分のいた世界が消えるというのも少ししこりが残る、といった風だ。

 実際の所、リリエルも家族のいた世界、家族や友の存在した世界が消えるというのが、嫌だと深層心理の中で感じていた。

「とりあえずあたし達は待つしかないけど、早く帰ってくると良いわね。」

「そうだね、あんまりゆっくりは出来なさそうだし。」

 とりあえずの所は、蓮達が帰ってくるまで暇と言えば暇だ、しかし、出来る事はあるだろうと考え、その出来る事をする為に明日奈達は準備を始めた。

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