新しいバイト先
第5話
●新しいバイト先
「悠羽、バイト見付かりそうか?」と、稔兄。
「……まだ……ごめん……お兄ちゃん……やっぱり、体預けるべきだったのかな?」
「悠羽、そう簡単に言うな!」
「……だって……」
「色々な理由で汚いやり方でしか出来ない奴は良い奴でもない。自分が傷付くだけだ。お金に左右されたら、ろくな人間にならないと俺は思うけど」
「そういう事」
「隼人君」
「隼人」
「お兄さんも悠羽には、そういう大人になって欲しくないって。悠羽は、そのままで良いの。バイト先は探せばあるって! あっ! 姉貴がご飯にしようって」
私達は移動する。
「悠羽、後悔しない人生送って貰いたいって、みんな家族は思っているんだから無理しないで焦んな」と、隼人。
「うん……」
ポンポンと頭をする隼人。
ドキン
私達は食事にする事にした。
ある日の事 ―――――
「裕香、何かバイトないかな?」
「まだ見付からないの?」
「うん……気になるのはあるんだけど、やっぱり前の事があって引っ掛かって……」
「そうかぁ~……まあ、無理もないよね」
一方 ――――
「なぁ、由希」
「何だい? 隼人君」
俺の親友・峯山 由希
「悠羽ちゃんにバイト紹介してやってくんね?」
「バイト?」
「前回、訳あって、すぐ辞めちゃって」
「そうなんだ」
「今、見付けている最中だし紹介して欲しい」
「別に良いぜ。ちょうど募集している知り合いの所あるし」
「マジ?」
「ああ」
「ちなみに聞くけど、そこ大丈夫だよな? 女好きとか、エロ親父とかいねーよな?」
「いくら親友の頼みとはいえ、変な所は流石に紹介しねーぞ!もしかして、前回、そういう場所だったとか?」
「そうらしい。相手したらバイト料倍にするって。あり得なくね?」
「タチ悪いな。それって常に相手の気分次第で継続しなきゃならない感じじゃん! 辞めて正解だと思う。とりあえず、彼女の都合つきそうなら今日にでも連れて行く」
「サンキュー。頼む!」
「了解!」
その日の放課後 ――――
「悠羽ちゃん、今日ちょっと付き合って欲しい所あるんだけど、何か予定ある?」
「えっ? 特にないよ。買い出し位かな?」
「じゃあ、少しの時間なら大丈夫そう?」
「うん、大丈夫」
私は由希君に付き合う事にした。
「今、バイト探してるって? 隼人から聞いたんだけど、アイツが紹介してやってって言ってたからさ」
「そうなんだ」
「前、タチ悪い所だったんでしょう? 隼人も心配してたし、話聞いたけど、そこ辞めて正解だったと思う。相手の気分次第では継続する羽目になるの目に見えてる」
「だよねー」
「俺が紹介する所、アクセとか小物扱っている店なんだけど、店長も女性だから安心して良いと思う」
「ありがとう! 助かります!」
そして、目的地に到着。
「あら? 由希君、いらっしゃい。隣の女性は由希君の彼女かな?」
「いや違うし! 彼女は予約付きだから」
「えっ!?私、予約付きなの? 誰の?」
「さあ? 誰でしょう?」
何となく分かる気がする。
「やだ、予約付きって、どういう事? お嬢様か何か?」
「うーん……ある意味セレブ寄りかも?」
「まあ、そうなの? 確かに可愛いからね」
「そんな事より彼女をバイトに雇って欲しいんだけど。どうかな? と思って」
「良いわよ。大歓迎!」
「マジ!?」
「つい最近辞めた子がいて困ってたの」
「じゃあ、お願いして良い?」
「分かったわ。じゃあ、今度の土曜日から来て貰おうかしら? 都合はどう?」
「は、はいっ! 宜しくお願いします」
私達は店を後に帰る事にした。