表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
90/542

2話

京井を追って出た冬四郎だったが、足の早さが人並みではなく見失い。あとから追い付いてきた片車輪にも、邪魔になると言われ、結局置いていかれ。重い足取りで、よろず屋の事務所に戻って来た頃にはうっすらと空が明るくなってきており、まばらに人通りもあった。


事務所が入っているビルの下にあったはずの、狐の死体も服も血溜まりも綺麗になくなっていた。だが、そこら辺には事故でもあったのではないかと思うように、硝子の破片が落ちているし、砕けたマグカップも落ちていた。それらを見ると、夜の出来事が夢ではないんだと、冬四郎に教えていた。


エレベータで上がり、開きっぱなしのドアをくぐると、山上が机に足を乗せてぼんやりとタバコを吸っていた。ちらっと冬四郎に目を向けたが、すぐに視線をタバコの方に向けた。


「よぉ…下のは片付けといたぞ」


「ありがとうございます」


「京井さんと片車輪は?」


「…見失いました」


悔しそうに唇を噛む冬四郎を見て、山上は苦々しく笑った。そして机の上のビニール袋から缶ビールを出すと、ぽんっと投げた。


「休憩だ」


「片付けは?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ