2話
仲間を見捨てて窓から脱出をと思っているのか、すでに戦う意思はなさそうだった。窓を見て、捕らえられている仲間に目を向けて、明らかに悩んでいる様子だった。それは目元にも出ている。訓練は積んでいても、実戦には慣れていないのかもしれない。やはり、仲間を見捨てるわけにはいかないと判断したのか、窓から視線を外すと、冬四郎の方を睨み付けるように見た。
「1人でもやる気…か?」
最初に対峙した京井が引き続き、相手になろうと前に出た。すると、京井の強さを分かっているだけに、じりっと1歩下がった。だが、逃げようとはしない。あくまでも、向かってくるつもりのようだ。
何の構えもなく、自然体に立っていたが京井に隙がないと分かると、ふらっと身体の力を抜ききったように走り込んできた。そして、胸に手を当てるような仕草をした。ばさっと着ていた服の前を開けて、内側に手を突っ込みナイフを取り出した。それをびゅっと京井に投げながら、走り込むとさっとしゃがんだ。
京井がナイフに気を取られている間に、足元をはらった。ぐらっとバランスを崩すと、相手はすぐに跳躍して、京井の胸の辺りに膝を押し付けた。そのまま押し倒して、向こう側に行くつもりだったのだろうが、京井は相手の膝裏に腕を回してがっちりと掴むと、くるっと回って身体の位置を入れ換えた。
まともに背中から落ちたが、後転するようにして片足を伸ばして顔をついでのように蹴ろうとしたが、かすりもしなかった。




