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2話
京井が用意してくれた弁当をみんなで食べ、少し休憩した所で冬四郎はジャケットを羽織った。
「先に篠田さんと西原君を送ってきます」
食事をしている時から限界だったのか、西原はうとうとしていた。管狐が、膝の上に乗り食べ物の催促をしてもぼんやりしていたせいか、西原から貰えなかった管狐は、祐斗の所に行ってしまっていた。
「悪いね、頼むよ」
「あ…いや、俺バイクで…」
西原はジャケットを羽織って、ふらふらと立ち上がると冬四郎が、ぱこんっと頭を叩いた。
「運転出来ないだろ?今日は置いていけ。事故でも起こされたら今は困るからな、ほら…行くぞ」
「じゃあ、鍵だけ…山上さん預かっててください。取りに来るとき忘れたら困るんで」
「お、分かった。みや、その2人頼むな。お前も疲れてんだ、気を付けて運転しろよ」
「分かってますよ。じゃあ行ってきます」
ぐいぐいと冬四郎に引っ張られ、西原は大人しく従った。というよりも、眠気に勝てそうになく、ふらふらと引きずられて行った。




