表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
527/542

8話

むつは抱いた狐を、西原の目の前に差し出した。西原は、ぼんやりとした顔をしていたが、狐の頭をわしわしと撫でた。


「お前が助けてくれたのか、ありがとうな…それにしても、流石テロリストっすね。自爆も当たり前って事ですか」


西原が立とうとすると、冬四郎が肩を貸すようにして支えている。むつは狐を抱いたまま、立ち上がると辺りを見回した。


2段式の簡易ベッドしかなかった部屋だったが、ベッドは崩れてマットレスや布団が破けている。壁も天井にも穴が開き、悲惨な状況になっている。


「…捕まるより、死を選ぶか…」


「…組織の中でも力のない下っぱは、使い捨ての駒のように扱われますから」


冬四郎が呟くように言うと、狐が答えた。


「自爆、なのか?」


「…呪です。むつ様もかけられてますよね?」


「え、うん…ほとんど消えてるけど」


むつが言うと、狐は驚いたような顔をして、むつの方を向いて、まじまじと顔を見ている。


「…そう、ですか…そうですよね」


「何が、そうなの?何で納得なの?」


「いえ…むつ様は鈴使いの方をご存知ですよね?彼が、むつ様なら自分で呪も消すだろうって…」


「まだ残ってるけど…」


「えぇ。普通は、術者が死ぬか、解くかしないと呪は解けない物です。でも、むつ様は自力で…」


「うん、こんがらがった糸をほどく感じで…本当にイライラするし体力も使うしイライラする」


むつは、イライラするを2回も言った。自覚はしていないのかもしれないが、本当にイライラしたのだろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ