表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
505/542

8話

むつは興味深そうに、棚に置かれている物を見ている。がちゃっと手枷を持ち上げると、忌々しげに睨むとすぐに棚に戻した。


「…どうしました?」


「あたしも…これ…だから、力出せなくて」


「そうでしたか…普通の物ではありませんね。これ着けると力が出せないかもしれませんね」


京井もその手枷を持つと、めきめきっと握った。石のような鉄のような手枷が、だんだんとへしゃげていく。むつは手枷と京井を交互に見ている。


「…調べたいけど、きっと無理だろうね」


「なかなか、賢い連中のようですね」


へしゃげた手枷を興味なさそうに棚に戻した京井は、棚にあるナイフを手に取りむつに渡した。


「人は切れないようです。我々に効果のあるように作られてるみたいで」


「…あたしも切れる、かな?」


強張った表情でむつはナイフを握り締めて、刃先を指に当てた。そして、力を入れようとした所で、京井がその手からナイフを取り上げた。


「切れると思いますよ。手枷も有効だったのなら、能力のある人間なら切れるでしょうね…持っていきますか?」


「…なら、手枷もじゃない?」


「使えるとは思いますが…重たいですし、邪魔になりそうですよ」


「投げたら一撃だよ」


「当たればの話ですよね?」


「遥和さんが投げたらまじの凶器」


むつは京井の手からナイフを取ると、棚に戻した。


「遥和さんは触っただけでもダメなんだね?」


京井の赤くなった手を見て、むつは眉間に深いシワを寄せた。そして、ナイフを見てちっと舌打ちを鳴らした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ