表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
503/542

8話

むつは背中を壁にくっつけて、手のひらの炎を持ち上げつつ、前を指差した。


「あそこを出ると、地下の牢屋のもう1つ下に出るみたいなの。そこで、妖を殺めて汚れを流してるって…」


「…それで、そこからは?」


「牢屋に行って、捕まってるみんなを解放して…残ってるはずの覆面の者を捕まえられたら捕まえるけど…出来るとは思えない。とりあえず、組織の事は後にして、あたしは狐さんを逃がしてあげたい」


「狐さん?捕まってる妖とは別ですか?」


「うん。あたしの世話係としてつけられてた子…監視も兼ねてたと思うけど」


「…分かりました。上の片車輪たちはどうしますか?」


「あたしらが中に入れてから、口上通り、テロリスト逮捕に勤めて貰いましょ」


京井が頷くと、むつは手のひらの炎を吹き消し足音を殺して、真っ暗な中を手探りで進んでいく。水が少しずつでも流れているというのに、むつの足音はほぼ完全に消えている。その慎重さと気配を消す事の上手さに、京井は舌をまいていた。


真っ直ぐに進み、むつは手のひらを上にして少し腰を上げた。ぺたぺたと冷たいコンクリートの壁を触っていく。


「ここから、上がれる」


梯子のように、なっている部分に触れながらむつが言うと、京井もそろそろと移動した。


「私から行きます」


「うん…落ちないでね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ