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8話
「なっ…な、何してんのよ‼」
4人の顔を見回して、仮面を外し小声ではあるが怒鳴るような言い方をしたむつ。4人は、きょとんとしたように顔を見合わせている。
「何って…私と片車輪はむぅちゃんのお手伝いに来ました。宮前さんと西原さんはお仕事です」
「お、お仕事?」
「警察署とよろず屋襲撃のテロリスト逮捕」
「…それって刑事の仕事?課が違う気がする」
「まぁ違うけど。むつを誘拐したやつらの逮捕は…ほら、刑事の仕事だからな。被害者を殺害してるわけだしな」
西原が当然といった顔をして説明をする。京井と片車輪も、うんうんと頷いている。冬四郎は、不機嫌そうな顔をしており、喋ろうともしない。
「あ…そう。納得いかないって顔の人も居るみたいだけど。来なくても良かったんじゃない?」
ふんっと喧嘩を売るかのようにむつが言うと、冬四郎はちっと舌打ちをした。だが、西原に小脇をつつかれると溜め息を漏らした冬四郎は着ていた上着を脱いで、むつにかぶせた。
「…寒くないの?」
「お前が風邪引くよりマシだろ」




