表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
469/542

7話

冬四郎がぐっと腰を落として、むつの様子を見ている事に気付いたのは、西原だけではなく、篠田とこさめもだった。京井をおとりに、取り押さえるつもりの冬四郎はむつが背中を向けるのを待っている。


こつっとむつの足音がして、完全に背中を見せた。むつの視線が完全に京井の方に向いている事を確認すると、冬四郎はむつに駆け寄った。


はっとしたようにむつが振り向いた。だが、咄嗟の事で反応が遅れたのか、冬四郎に羽交い締めにされた。だからといって、慌てて暴れるでもなくむつは軽く持ち上げたで冬四郎の足だんっと踏んだ。だが、予期していたのか冬四郎は足を引いており、爪先を少し踏まれただけで痛みはない。それでも羽交い締めにしていた手が少し緩んだ。しゃがむようにして、無理矢理腕から逃れたむつは冬四郎の膝裏に腕を回して引っ張った。かくんっと冬四郎がバランスを崩すと、立ち上がったむつは体当たりを食らわせて一緒に倒れた。強かに背中を打った冬四郎は呻いた。そんな冬四郎の上に一緒に倒れたむつはころんっと上を転がるようにして、いつの間にか背後を取っていた。だが、その後ろに西原が詰めており、むつの腕を後ろに回させると頭を押して床に叩き付けた。


「くっ…」


だんっと床に顔を押し付けられたむつは、微かに呻いた。体重をかけるようにして押さえ付けていた西原は、申し訳なさそうな顔をしたものの、力を緩める事はしなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ