7話
むつも西原も眠り、1階でくてろいでいた面々も風呂を済ませて眠りについた頃、京井が物音を立てないように、そろそろと戻ってきた。
「…よぉ、おかえり」
「…っ‼」
電気もついていないから、誰も居ないと思っていたがダイニングテーブルには、山上がついていた。
「…真っ暗な中で、何してたんですか?」
「帰ってくるって言うからな。玄関閉めちまったら入れなくなるだろ?」
「起きて待ってて下さったんですね…ありがとうございます。けど、電気くらいは…」
「有っても無くても困らないからな」
「ま、でしょうね」
「戸締まりして、俺は寝るぞ。風呂まだ暖かいはずだからな。あとは適当に頼むぞ…あ、そう言えばむつが何か用があるみたいだったな。明日、時間あるなら話聞いてやってくれ」
「はい。分かりました」
山上はタバコを持って、玄関の鍵を閉めに行くとそのまま2階に上がっていった。京井は山上の足音が聞こえなくなると、キッチンに行きやかんに水を入れると火にかけた。湯が沸くとコーヒーを入れて、1人でソファーに座りゆっくりと飲んだ。しばらく、ゆっくりとコーヒーをすすっていると、とんっとんっと静かに足音が聞こえてきた。京井はそっと立ち上がり、リビングのドアを開けた。




