表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
439/542

7話

「どうした?また気持ち悪いのか?」


むつは、ゆるゆると首を振った。はぁと息をついて、ゆっくり呼吸をしようと心掛けているように見える。


「…呼んでる」


「誰が?」


答えないむつは、きゅっと西原のズボンを握った。その手が微かに震えているのに気付いた西原は、包み込むようにしてむつの手の上に自分の手を重ねた。氷のように冷たいむつの手は、それでも細かく震えている。


はっと顔を上げたむつは、目を見開いている。そして、振り向くとがばっと西原に抱き付いた。


「お…おい、むつ?」


「……て」


「え?」


「ぎゅって…し、て?」


か細く泣きそうに震えた声を聞き、西原はちらっと冬四郎を見た。冬四郎は知らん顔するように、立ち上がるとキッチンの方に向かっていった。気を使わせたんだなと思いながらも、西原はむつの背中に手を回した。服越しでも冷たくなっているのが分かる背中を、優しく撫でていると落ち着いてきたのか、むつの震えも収まってきて、はぁと息をついていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ