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7話
「それで、熱は?」
「9度ちょっとある。むつ、また横になってるから…お水とかの方が飲みやすいのかも」
「そうか。もう少ししてむつが寝てから持ってってやってくれるか?」
山上に言われると。こさめは頷いた。そして、ホットチョコレート美味しかったと忘れずに伝えた。それを聞いた山上は嬉しそうに笑っていた。押し付けられたホットチョコレートを飲みながら、西原は甘すぎるから一口で良いかもと言い、片車輪にも飲むように進めていた。
「むつ、大丈夫かなぉ」
篠田の膝の上に座ったこさめは、本当に心配そうな顔をしている。篠田は、大丈夫だよと言いながらこさめの顎の下をかくように撫でている。そんなやり取りを、西原は首を傾げるようにしながら見ていた。
「あ、しろー今日、むつ1回も薬飲んでないでしょ?夜は飲ませるの忘れないようにしないと」
「そういえば…そうでしたね。忘れないように気を付けます」
冬四郎はそう答えて溜め息を漏らした。篠田は篠田で、溜め息をつきながら呼び捨てにしない、とこさめに注意をしていた。




