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7話
京井はふちに腕を乗せるようにして、頬杖をついている。本当にまだ暑くなっていないのかもしれない。
「あの鈴…妖にはキツい、というよりもやっぱり何か力の籠ってる鈴なんでしょうね。やけに響く。むぅちゃんもあの時、鈴を握ってましたから…ただの鈴の音には聞こえなかったんじゃないでしょうか」
むつが小指につけている鈴をよく思っていないのは、京井の口調からでも十分に分かる。
「それは…むつに能力があるからですか?けど、片車輪もこさめさんも何も言ってませんよね?」
「えぇ。何も無ければ、ただの鈴と同じです。けど、反響して鳴り出したり、あの男が振ると…違いますね。身に付けていても、むぅちゃんが嫌がらない以上は大丈夫でしょうけど」
「…京井さんは、本当にむつを大事にしてくれますよね」
「え?」
「あ、いや…むつの事を第一に考えてくれて、色々してくれてるなと思ったものですから」
「…むぅちゃんに、好きって言われましたからね。私も、むぅちゃんには大好きと伝えてありますよ」
「はぁ!?」




