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7話
「何かに反応して鳴る鈴なんでしょうか…今も付けてますよね?」
「えぇ…」
「って事は鈴が怖かったわけじゃないのかもしれませんよね」
「むつが怖がる…か…っ‼」
ざばっと湯から出た西原は、湯船のふちに腰を下ろした。湯につかっていた身体は赤くなっている。
「暑くならないんですか?」
「…俺は大丈夫だな、京井さんは?」
「私も大丈夫です」
「…限界です。先に失礼します」
話が聞きたくて一緒に入ると言い出した西原が、先に湯から上がるとシャワーで水を浴びて出て行った。身体を拭いて風呂場から出ていく気配がしてから、冬四郎も湯から上がると、西原と同じようにふちに座った。身体は赤くなっているし、顔からはぽたぽたと汗が落ちている。
「西原さんが目悪くて良かったですよね。暑い様子が、バレずに済みましたから」
「本当ですね」
冬四郎は前髪から垂れ落ちる汗を拭うようにして、前髪をかきあげた。




