表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
400/542

7話

こさめと共に風呂に入ったむつは、真っ赤な顔をして、ふらふらと出てきた。すでにリビングでくつろいでいた冬四郎たちは、ぎょっとしてむつに駆け寄った。


「ごめんなさーい。お湯熱かったみたいで」


バスタオルを頭に乗せて一緒に戻ってきたこさめは、けろっとしている。むつは完全に逆上せてしまっているのか、冬四郎の腕に掴まりぐったりとしている。


「汗かいたら熱も下がると思ったんだけど…むつ、大丈夫?お水持ってくるから横になってて」


冬四郎はソファーにいた片車輪を隅に寄せると、その太ももの上にむつの頭を乗せるようにして横にさせた。真っ赤な顔をして、ふぅふぅと息をついているが、髪の毛はしっかりと乾かしてきたようだった。


「可哀想やな…猫は寒がりやしな、それに付き合ってこんな目におうたんやな」


片車輪は分厚い手のひらを団扇がわりにするように、むつの顔に風を送っていた。


「…暑い」


喘ぐようにむつは言い目を閉じている。キッチンの方からは、こさめが篠田に叱られている声がしていた。


「まぁ…悪気はなかったと思うで?ねぇちゃんが寒なったら、あかんと思ったんやと思うでな。許したってな」


返事をするのも億劫なのか、むつはこくっと頷いた。病院でも着ていたルームウェアのジッパーを下げて、胸元を大きく開けると扇ぐようにして身体に風を送っている。


「ねぇちゃん…あとで、着替えや?汗かいてんやから、服が冷たくなってまた熱上がるでな」


「…はぁい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ