7話
2階から下りた冬四郎はリビングに入ると、どさっとソファーに座った。コーヒーをテーブルに置いた西原は、ついでのように灰皿も持ってきて置いた。
「ご機嫌斜めですね」
「うるせぇよ。お前、むつが下りて来なかったら様子見に行ってやれ」
しっしっとうるさそうに手を振ると、冬四郎は少し寝ようかなと大きな欠伸をしていた。
「宮前さんも京井さんも少し休んだ方が良いですよ。ほとんど、寝てないんじゃないですか?京井さんも疲れた顔してますし」
「…そうですね。そうさせて貰います」
「2階の部屋は掃除してあるから、どこでも好きな所使ってくれ」
「ありがとうございます」
山上に言われ、冬四郎は灰皿とコーヒーを掴むと京井と一緒に2階に上がっていった。
「こさめもむつの部屋行ーきーたーい」
「…こさめは谷代君と一緒にむつさんの為に美味しいご飯の支度をしてあげなさい」
「お、はーい!!谷代ぉ」
こさめがぱたぱたと祐斗の所に行くと、篠田ははぁと溜め息をついた。
「お前、祐斗に押し付けんなよ」
山上にぼそっと言われ、篠田はすまなそうに笑ったが、祐斗は何も気付かずにこさめと一緒にキッチンに入っていった。
「食べれる物…出来ると良いですねぇ」
「怖っ」