1話
「そうなると…探し出すのはかなり難しいな。そもそも、むつは部屋で襲われたのか?」
「あ、それさっき私も、片車輪さんと話してたんですが…部屋でって事は潜んでたって事か、後をつけてきてってなりますよね?つけてきたってなれば、むぅちゃんですし回避の仕様もあったと思いますけど」
「マンション内で待ち伏せさせれたんだろうな。みや、防犯カメラ見れないか管理会社に問い合わせ…って、ダメか。管轄違うのに手出すわけにはいかねぇな」
「あ、それなら…兄に頼んでみます。使える物は使えって言われてますから」
冬四郎はそう言うと早速、晃に電話をかけた。手早く説明をし、カメラ映像の入手を頼んでいる。兄弟仲が悪いのか、冬四郎も電話越しの晃も何となく口調がキツい。
「警視正と喧嘩腰の電話って凄い事ですよね」
西原が呟くと、篠田が苦笑いを浮かべた。そんな2人に気付いたのか、冬四郎はにやりと笑った。そして、一方的に用件を伝えると電話を切った。
「何とかするそうです」
「お前、相変わらず晃とは仲良くしないよな」
「男兄弟なんてこんなもんですよ。それより、どうしますか?これから…」
「囮を使って、その通り魔みたいなヤツを誘きだしてもいいかもしれないが、そうなると誰か死ぬな」
「そうですね。それに、そんな事すれば…」
「むつがキレる」
山上と冬四郎は頷いた。そして、揃って溜め息を吐いた。




