表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
386/542

7話

京井のマンションに着き、着替えを取りに行っている間、冬四郎は何度も欠伸をしていた。


「眠い、ですか?」


「ん、まぁな…山上さん所に着いたら寝るから大丈夫だよ。むつは眠くないか?車酔いも今日は大丈夫そうだな」


こくっと頷いたむつは、ココアを両手に持ったままリラックスしたように背もたれに身体を預けている。冬四郎と京井には、だいぶと慣れたのか少しではあるが自分から話し掛けてくる事も出てきた。だが、それでもあまり会話が続くわけではないし、相変わらず敬語だった。


「あ…むつ、夕飯何が良いか考えとけよ。京井さんは料理上手いからな」


「………?」


「あの人な、飲食店の経営をしてるんだよ」


「お兄さんは?お仕事…」


「俺か?俺は警察官だよ。西原君も篠田さんもそうだよ。山上さんは元警察官だしな」


初めて知ったというように、むつは目を見開いている。初めて知っての驚きなのか、警察官であるのが意外と思われたのか、その判断はつかなかった。


「…わたし、は?」


「…仕事か?そう、だなぁ…」


何と答えて良いのかと冬四郎は、少し悩むように黙った。こんな風に、人の事に、自分の事に興味を示すようになったのは良い事だが、むつの仕事に関しては言っていいのかさえ悩んだ。今のむつには自ら、能力を使えるだけのゆとりは無さそうだが、京井を大きな犬だと言った辺り、能力が無くなっているわけではなさそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ