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6話
「まぁ私の方は、この残念な知らせを持ってきただけで…こさめの方が役に立つかもしれませんね」
「いえ、そんな事はありませんよ。内部にも関係者がいる可能性があるっていうのは、大きいですよ」
「そうだな。誰がどこと繋がるか分からないから…疑心にはなるが注意は出来る。分かったか、西原」
「え、はい。何で名指しなんですか?」
「お前が1番、口が軽そうだからな」
「軽いのはノリだけです」
西原が威張ったように言うと、篠田がぷっと吹き出して笑っていた。冬四郎は呆れたようだったが、こうして場を和やかに出来る西原の存在は大きいと思っていた。
「あとは…出た所勝負だな。犯人は上げられないだろうが、むつは手元に戻ってきてるし、あとは守りきるだけだ」
山上はふぅと息をついた。そして、腰を捻って、ばきばきと身体を鳴らしていたが、おっと声を上げた。
「ここに居たんですね。良かった…今、お時間頂けますか?」
白衣姿の藤原が、コルクボードを片手にやってきた。何か緊急性のある話なのかと、4人は表情を引き締めた。