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6話
タオルで顔を拭きながら、むつ自らドアを開けて廊下に顔を出した。ドアのすぐ前に背が高く、がっしりとした男ばかりにむつは驚いたようで、すぐにドアを閉めそうになった。
「あ、あの…お待たせしました。着替え、終わりましたから…」
消え入りそうな声でむつが言うと、冬四郎が微笑みながら、むつに近寄り頭を撫でた。
「呼びに来てくれたのか?ありがと。さ、冷えるから入りなさい」
むつの背中を押すようにして、冬四郎は室内に入っていき、むつをベッドに連れていった。
「むつ、もぅ少し…ファスナー上げないか?それじゃちょっと…見えすぎだな」
ほこんっと冬四郎がわざとらしく咳払いをして、胸元のファスナーを上げる仕草をして見せた。
「ん、んんっ」
むつは言われた通りにファスナーを上げたが、じじっとまた下がってしまい、ぱっくりと胸元が開いた。
「無理、かも…」
「ま、室内にいるだけなら良いじゃないですか。ちょっと…目のやり場に困る気もするけど、目の保養にもなりますよ」
けらけらと西原は笑い、こんもりとしているむつの胸元を見ていた。