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6話
むつが眠っている間に、病院を移そうと冬四郎が言うと、西原はすぐに病室を出ていった。医者からの許可と藤原病院と話をする為だろう。病室に残った京井は、ふぅと溜め息をついた。
「どうかしましたか?」
「え、あ…いや…いくら、暴れたからって、むぅちゃんに手荒な真似をしてしまいましたからね…」
「そんな事、気にする必要はないですよ。あのまま、力を使われて…その制御が出来ないなんて事になっていたらと思うと…」
「それは、そうですが…」
「まだ何か気掛かりな事でも?」
「えぇ…あの暴れた時、私が押さえ付けた時、むぅちゃん泣いてましたから。気にはなりますね、泣かせてしまってますから」
「それは…京井さんが泣かせたのとは、違うと思いますよ。けど…あの時のむつには、俺たちも監禁してたやつらと一緒に思えたんでしょうね」
「おそらくは…そうなると、むぅちゃんへの接し方が難しくなりますね。いつもと同じ様に接しても、むぅちゃんには私たちの事が分からないですから、気を遣わせてしまいますね」
「そう、ですね…次に起きた時に何か良い方向での変化があればいいんですが」