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6話
「…どう思います?」
「記憶の混乱か副作用ってやつなのか…判断出来ませんね。むぅちゃんに変わりないですが」
京井は腕を組むと、うーんと唸った。
「明日、藤原さんの所に移して検査の方が良いかもしれないですね。その方が、病院への出入りもしやすいですし」
西原はそう言うと、暖房を少し弱めて室内の加湿器のスイッチを入れた。
「病院への出入りはしやすくても、むつがどうかだな。知り合いが居るってなると逆に気遣いそうな気がするな」
「かもしれませんが…むぅちゃんの身をってなると…」
「ま、明日になれば何か変わってるかもしれませんし…むつが起きてから本人に聞いても良いんじゃないですか?」
朝から捜査に出ていた西原は、眠そうに欠伸をしている。冬四郎と京井もそれには賛成なのか、頷いてみせた。