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よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
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6話

「…むつ?」


重たそうに頭を持ち上げ、むつは冬四郎の顔を見ていた。冬四郎も京井も寝起きです、といった感じのぼんやりしたむつが何を言うのかと、じっと見守っていた。だが、むつが口を開く前にとんとんっとドアをノックされ、冬四郎も京井もびくっと肩を揺らした。


「どうかしましたか?」


顔を覗かせたのは、年配の看護師だった。京井が説明をすると、看護師はくすっと笑って、腕ではなく手の甲に針を入れ直した。痛がりもせずに、針と管をむつは見ていた。


「もう少しで終わりますからね。我慢して、このままにしておいてね」


看護師は優しげに言うと、すぐに出ていった。それと入れ違うように、西原が戻ってきた。


「何かあったんですか?今、看護婦さんが…お、むつ。起きたか?おはよう」


ついでに飲み物を買ってきた西原は、ベッドの上にペットボトルを置いた。


「何か飲むか?どれが良い?」


むつはこくりと頷いて、水を指差した。西原は水を取ると、蓋を開けてからむつの手に持たせてやった。むつは一口飲むと、ふぅと息をついた。口の端から、溢れた水を西原がにこにこしながら拭ってやっていた。

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