表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
30/542

1話

颯介のいれてくれたコーヒーをすすっていると、すぐ隣に座っていた京井が紙袋をどんっと机に置いた。


「差し入れです。食事もなさってないと思いましたので…召し上がってくださいね」


「そろそろ、向こうの2人も起こしますね」


京井が紙袋から4段もの重箱を取り出すと、颯介がくすっと笑いながら山上と片車輪を起こした。寝起きがいいのか、山上はすぐに起きてやってくると、京井に丁寧な挨拶をしていた。仲が悪そうなイメージだったが、意外とそうでもないのかもしれない。


準備が良いのか紙皿と割り箸も持参した京井は、それらを並べていく。そして、初対面の片車輪とも挨拶をしていた。どちらもお互いが、妖だと分かっているのか、気安げな雰囲気だった。


山上と片車輪が、京井の持ってきた弁当をつついていると、ノックが聞こえた。返事も待たずにドアが開き、男2人が入ってきた。1人はきちっとスーツを着た柔和な雰囲気の篠田直弥だった。そして、もう1人は疲れた顔をして、ネクタイも外している西原駿樹だった。


「おはよう、悪いな朝早くから。京井さんが差し入れくださったんだ…一緒にどうだ?」


山上がそう言うと、西原も篠田も困ったような顔をしたが、そこはさすがに落ち着いたもので空いている椅子に座った。


「随分、のんびりしてますね。むつさんの安否確認が出来たって事ですか?」


「いいや。けど、焦っても仕方ない。先ずは飯食って、話をしようかと思ってな」


山上はちらっと冬四郎を見た。箸を持とうともせずに、ぼんやりとコーヒーをすすっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ