表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
289/542

5話

「あの、西原さんの所でもむぅちゃんが出たって聞きましたが…本当ですか?」


「…えぇ、こっちも同時くらいに出たって聞きましたが」


「そう、ですね…ここでも…」


京井は気遣わしげに、冬四郎の方をちらちらと見ている。その視線に気付いたのか、冬四郎がコピー用紙から顔を上げて苦笑いを浮かべた。何も悪い事をしたわけでもないのに、京井は少し気まずそうだった。


「西原君、そっちに居たのはむつだったか?」


冬四郎が知りたいのは、本物のむつだったかどうかだという事に気付いた西原は、ゆるゆると首を振った。一瞬しか見えなかったが、確かに見た目はむつだった。だが、それが本物なのかどうかと聞かれると西原にも分からない。窓から出ていく時に目眩ましのように、吹き上がった炎と熱風。そんな事が出来るとなると、むつなのかもしれないと思うが、そう思いたくはなかった。


「炎を出したとかって…こっちではそんな事はなかったからな。ただ、すばしっこいっていうだけで」


「………あの…」


西原は何かを言おうとして、だが考えるように口をつぐんだ。冬四郎は言ってごらんと、目で促している。西原は、コーヒーをじっと眺めていたが、ようやく顔を上げた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ