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よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
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5話

署内に戻った西原は、捜査本部のある大部屋に入って行った。夕方だからか、人はまばらにしかいない。警察署署長の妹が、拉致殺害という事でニュースにも取り上げられ、他の署からの応援も駆け付けての大掛かりな捜査となっていた。駆け付ている刑事は、晃に世話になった者ばかりだった。寒い中、朝早くから夜遅くまで地道な聞き込みなどをしているが、いっこうに足取りは掴めない。そうなってくると、上から怒られる事も増えだんだんと士気も下がってくる。


応援で駆け付けている刑事たちは、晃の為にとやっきになっているが、西原はそんな刑事たちを横目に、いつも通りにのんびりと周りを見ていた。端から見れば、あまり捜査に対してやる気を出していないようにも見えるが、そもそも西原の目的は犯人逮捕ではない。それに、口に出しては言えないが犯人逮捕は、無理だろうと思っていた。これは、晃にも言えない。そもそも晃は、未だにむつが殺されたと信じており、ショックから立ち直れないでいる。


西原は綺麗に並べられている長机に座り、パソコンを開いて防犯カメラの影像を見返していた。画像は何枚か保存してあるが、影像の方はどうしようかと悩んでいた。不審者が映っている前後だけを切り取って保存でも良さそうな気がしていた。画面ばかりを見ていたせいか、目がしばしばしていた。眼鏡を外して、目頭を揉んでいるとドアが開き、わらわらと刑事たちが戻ってきた。そろそろ報告を兼ねての捜査会議が始まる。西原の横を通り過ぎた刑事が、警視正へのごますり参加さんは気楽そうですねと嫌味を言った。だが、西原は聞こえなかったふりをして、眼鏡をかけ直すとふんっと鼻で笑った。

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