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よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
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5話

結局、最初のスープの後リゾットにして貰い2杯を食べたむつは、お腹苦しいと言い横になっていた。狐は呆れたような溜め息をつきながら、片付けを済ませるとする事がないのか、ちょこんと座ったままでむつを見ていた。


風呂も食事にも満足したむつは、寝転がり目を閉じてはいたが、まだ眠る気にはなれなかった。今日、こうして丁寧に扱われているからには、日本刀の隠し場所として言った場所は、きっと本当の場所なんだろうなと思っていた。何度となく薬を打たれ、尋問されたがその時はまだ抗う気力も、うっすらとした意識もあり、嘘を言ったりしてそのたびに殴られたりしていた。だが、今日は違う。


狐が言ったように、今夜中に探しに行くのだとしたら、どうしたらよいものかと、むつは悩んでいた。彼らの手に渡ったとしても、むつがこの場に居ればまだ取り返すチャンスは生まれるかもしれない。その為には、この手枷を外さなければならないし、どこに運ばれて行ったかも確認しなければならない。それは、ここに閉じ込められている限りは出来ない事だろう。むつの世話役として居る狐に探りを入れて貰う事も、手枷を外して貰う事も先ず無理な話だ。


むつは溜め息を漏らした。考えても考えても、日本刀が彼らの手に渡らないようにする事も、取り返す方法も思い付かない。


ゆっくりと起き上がり、テーブルの上のタバコを取ると吸い始めた。まだ腹にはずっしりとリゾットが残っており、気分もあまりよくない。食べ過ぎたな、と今になって後悔をしていた。

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