5話
「…京井さんと片車輪を襲ったナイフとか調べてみましたか?何か分かる事があれば、対策も出来るかもしれません」
「えぇ。それは今日、湯野さんと谷代君が調べてくれてます。我々は降れたくもない物ですから」
「そうですね。これ以上、怪我を増やされても…こちらの仲間が減るだけですから」
「仲間、ですか…人と妖が仲間ですか」
京井は何が面白いのか、くっくっくと笑っていたが、傷に響いたのか痛そうに顔をしかめた。
「この話…湯野さんと谷代君は知りませんから。どうか、ご内密に」
「分かりました…と?谷代君は今日も講義をサボってるんですね」
「あ…みたいですね。むぅちゃんに怒られる事になりそうですから、それもご内密に」
「分かりましたよ。それなら、やっぱり事務所に詰めといた方が良さそうですね」
「えぇ。宮前さんの家まで荒らされる事になると大変ですし…事務所なら、まだ」
「荒れても大丈夫だと?」
冬四郎はくっくっくと笑っていた。
「いえ、そうとは…でも、バラバラでいるよりは1ヶ所で集まっていた方が。また偽者が出たり襲われたりする可能性がありますからね」
京井が真顔で言うと冬四郎は頷いた。