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5話
「それで、西原は?捜査会議か?」
「さぁ?マンション一帯の防止カメラの映像を改めて不審者の洗い出しをお願いしましたけど」
「そうか…それで、こっちはどうする?3人セットにしたんだから、何かあるんだろ?」
「山上さんは先ず、片車輪と一緒にむつのマンションから俺の車取ってきてください。京井さんはここに残ってください」
「俺はパシりか?」
「えぇ、1人につき妖1人じゃないと…襲われたら逃げ切れなくなりますからね。で、ここには日本刀があるんで京井さんのが心強いですし」
山上をパシり扱いする事に、冬四郎は否定をしなかった。 その為に呼ばれたのかと、山上は苦笑いを浮かべたが嫌とは言わなかった。
「仕方ない…行くぞ」
山上は冬四郎から車の鍵を受け取ると、片車輪を引き連れて出ていった。ドアが閉まり、足音が遠くなっていくと冬四郎は居住まいを正して京井の方を向いた。何やら改まった様子の冬四郎に、京井も背筋を正して冬四郎の方を向いた。
「何でしょうか?」