4話
「社長、こっちには無いですよ…やっぱり家なんでしょうか?」
埃っぽい倉庫で物をどかしたり、むつが使っているロッカーを開けたりしながら、日本刀を探していた3人は戻ってきた。
「かもしれないな…あいつ、いつもどうしてたっけな?仕事の時、家から持ってきてたか?」
「家から持ってきてた気がしますけど…ここに置いてた時もあった気がします」
主に一緒に仕事に行く、颯介と祐斗もそこまでは覚えてないようで、首を傾げた傾げていた。ただ、はっきり分かるのは何日かかけての大きな仕事になる時にしか、持っていなかったという事だ。
「あ、けど俺前に頼まれて部屋から持ち出した事ありますよ。菜々ちゃんの所での仕事の時に」
「その時は部屋のどこにあったんだ?」
「寝室のドアの横に立て掛けてありました…けど、この前見に行った時には無かったと思いますよ」
「無造作すぎるな…けど、ここに無いならやっぱり部屋か?仕方ない、探しに行くか。相手より先に手にしとけば、交換出来るかもしれないしな」
山上は日本刀をこちらが先に入手しておけば、それとむつを交換できるかもしれないと考えているようだった。だが、それでむつが大人しく交換されるかどうかは、疑問であったが誰もが口にはしなかった。