4話
「…日本刀か。むつの部屋にあるのか?」
祐斗と男は自宅に置いてある物だと思って、話を進めていたが山上が疑問を持ったように言うと、祐斗は首を傾げた。
「前に見に行った時に、無かった気が…ここに置いてるんじゃないんですか?」
むつの部屋に行った時に中を見て回っていた、冬四郎も首を傾げていた。颯介が立ち上がると、倉庫に向かっていった。事務所に置いてるなら、倉庫にあると思ったのだろう。がたがたと物をどかしたりしながら、探している様子だった。そうと分かると、祐斗と冬四郎も向かっていった。
「お前、何でそこまで分かってるんだ?むつが拐われたのは日本刀が狙われたからだとか、殺されないだとか」
3人が倉庫で日本刀が置いてあるか探しているのを横目に、山上は男にそう聞いた。
「そこのデカいのを襲ったやつらと、むつを監禁しているのが同じやつらだからだ」
「だから、何でそれが分かるんだ?」
「…俺がそいつらと同じく動いているからだ。今回のこの計画は、知らなかった。ただ最近のむつが妖どもとの距離が近い事は噂に聞いていた…それがこうなった原因だな」
男が言うと、京井と片車輪が眉を潜めた。男の言う事が本当ならば、この男にも妖を殺めるだけの力があるという事になる。