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4話
「少し…貴方にも責任があると言ってましたね?どういう事でしょうか?」
「それを知ってどうする?時と場合によっては、か?今、それをすればむつは戻ってこないぞ」
「今、どうのする気はありませんよ。けど、知っておけば…もうこんな事にならずに済むかもしれませんからね」
「そうか…だが話す気はない。むつだって何も知らないのに、お前たちに話してどうする?」
晃はジャケットを脱いだ。シャツのボタンを外さずにびっと破いくと、その下には黒い服があった。シャツを脱ぎ捨て、黒い服も脱ぎ捨てた。黒い服は、身体に厚みを持たせる為の物なのか、膨らんでおり、その下にある身体は普通体型ぐらいだった。下も脱ぎ捨てると、顔に手をかけた。皮を剥がすように引っ張ると、その下の顔はやはり仮面に隠されていた。
「むぅちゃんは、あなたの顔を知っているんですね?」
「忘れられてなければな」
京井は冬四郎と山上の方を見た。男の言っている事を信用して、むつを助け出すのに協力をして貰うのか、悩みどころだった。