166/542
4話
もたもたと祐斗が包帯をようやく巻き終える頃、奥に入って相談していた4人が出てた。祐斗が好奇心を剥き出して、覗くように見ると、山上がわしわしと頭を撫でた。
「どこか行くんですか?」
「あぁ、むつの遺体を改めに行く」
山上が固い声で言うと、京井が立ち上がった。祐斗が包帯を巻いたからか、少しよれていてすでにほどけてしまいそうだった。
「一緒に来た貰いたいから…シャツ着てくれるか?その前に、その包帯やり直してやろうか?」
「へぇ…京井さんって意外と逞しい身体つきですよね。鍛えてるんですか?」
西原が興味を示したのか、京井の身体をペタペタと触っている。そして、痛々しい怪我に気付くと、顔をしかめた。だが、どうしたとも聞かずに山上の手から包帯を受け取ると巻き直していく。
「これ、誰がしたんですか?下手すぎ」
「俺ですよ‼」
「あ、祐斗君か…ふーん…じゃぁ、まぁ…うん、仕方ないか」
祐斗は赤くなった目で不服そうに、頬を膨らませていた。西原はくすっと笑いながら、こうやって、と巻き方を教えていた。その間、冬四郎は晃と何事かを話していたようだった。