4話
「やめてください、そんなの…こちらこそ、警察が力不足なばかりに山上さんたちにお任せしてしまって…むつを最初に見付けてくださったの、ここに居られる方々ですよね?ありがとうございます」
晃が深々と頭を下げると、祐斗がずっと鼻をすすりながら、頭を下げた。それにつられるように、颯介も京井、片車輪も頭を下げた。
「先程、解剖も終えたむつと対面してきましたよ。首と手首の傷とあちこちに打撲痕があるようですが、他に何かされたあとは見られないようです。女の子ですからね…暴行はされてませんでしたし、顔に傷がないだけ、ましかもしれませんね」
そう晃は落ち着いた声で報告をした。それを聞いた冬四郎が、顔を上げた。酷く傷ついた顔が痛々しいほどだった。祐斗は山上の袖をぎゅっと握ると、うつ向いてまたぼろぼろと涙を流している。
「この度は、妹の為に奔走してくださり、本当にありがとうございます。谷代君も…そんなに泣いてくれてありがと。泣きたくても、実感がわかなくてね…まだ泣けそうにないんだ。だから、そこまで泣いてくれると救われるよ」
「それで…晃。何か分かった事あるか?俺たちは発見はしたけど、部屋の中を調べたりなんて余裕なくてな」
山上が言うと、晃は少し首を傾げた。そして、ちらっと奥の相談者用の部屋を見た。山上が頷いた。