表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
157/542

4話

泣いている祐斗と寄り添うにいる山上の後ろ姿を冬四郎は、ぼんやりと見ていた。見ていたというよりも、ただ目に写っているだけだった。冬四郎は素直に泣ける事を少し羨ましく、そして妹の為に泣いてくれる祐斗を好ましく思っていた。むつが遺体で発見されたたというのに、冬四郎にはその実感があまりなかった。確かに自分の目で見ていたはずなのに。


ベッドに寝かされ、白い首から流れている真っ赤な血と青ざめた顔。二度と開かれる事なく閉じられた目元にうっすらと開いていた唇。駆け付けた冬四郎が抱き起こし、揺さぶるとかくかくと力なく首が揺れていた。そして、ゆっくりと冷たくなっていった。


死因は失血死というのが警察の見方だった。冬四郎もそうだと思っていた。致命傷は首を深々と切られた傷だろうが、手首もぱっくりと切れ、血が流れていた。だが手首の傷の方が先だったようで、乾いて固まった血がこびりついていたし、手首からの出血はほとんど無かった。おそらく、この手首の傷からの臭いに京井と片車輪は気付いたのだろう。


手首を切り、血を流させた状態で倉庫から自宅マンションまで運び首を切った。それが、冬四郎たちの考えだったがそれは警察には話していない。発見に至った経緯は、何か手掛かりがないかと部屋に来てたまたま見付けたという事にしておいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ