表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
153/542

3話

ドアを大きく開けて、中に入ろうとすると京井が足を踏み出すとびゅんっと何かが飛んできた。京井はとっさに避けたが、見えていなかった片車輪はそれにもろに当たった。


「ぬ、うぉ…って何やねんな‼」


ばさっという音とどすんっという音に京井が振り向くと、投網にかかった片車輪がバランスを崩したのか尻餅をついていた。人が居たような気配はなかったはずだがと、京井が真っ暗な室内に目を向けると、何かが光った。間髪いれずに、その光った物が片車輪目掛けて真っ直ぐに飛んでくると京井が、手で弾いた。だが、すぐに2発目がありそれは片車輪の腕をかすめると壁に突き刺さった。


「まじかよ…」


びいぃぃんっと揺れ、壁に突き刺さったナイフを見て片車輪は目を見開いていた。流石に京井も驚いており、動けなかったが室内から硝子の割れる音がすると、我に返ったように室内に飛び込んでいった。


むつの寝室のドアが開いており、そこから風が吹いている。京井が入ると、割れた窓から風が吹き込み、カーテンが揺れていた。その風に流されてくるように、強く血の臭いを感じた。嫌な予感と見たくない気持ちが強いが、好奇心が勝ったのか臭いのする方に、そろそろと視線を向けた。


「……っ‼」


京井は声もなく、臭いのする方を凝視していた。目を反らしたくても、こそから目を離せない。開けっぱなしの玄関から、片車輪の声と冬四郎たちが来たのだろうか、車の止まる音が聞こえていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ