3話
「昼間に、む、むつちゃん…や、あのねぇちゃんの所に行ってな、調べた時に犬神さんと一緒に臭いを辿ってねぇちゃんが連れてかれた方向に行ったんや。そん時に、誰かに…たぶんねぇちゃんを拐ったのんに見張られてたんや。それで、わしを囮に使ったんや。それで襲撃があった。覆面をした2人組や。そいつらとやりあってる途中で、窓を破って乱入してきた男がおってな、その男と覆面のやつらがここで暴れ始めてな」
「 ま、待ってください。覆面が2人に男が1人の3人ですか?それが、ここで暴れた?」
言われてる事を把握出来なかったのか、颯介が確認の為に口を挟むと片車輪は頷いた。颯介は首を傾げながらも、頷くと続きを促した。
「ほんで、その時に覆面の片割れの顔が見えたんやけどな。それが、あのねぇちゃんやったんや」
「えぇっ‼」
祐斗が驚いて、がたんっと立ち上がった。片車輪の話に颯介も驚きを隠せないようで、確認するかのように山上と冬四郎を見た。2人共、静かに頷いた。
「で、ねぇちゃんは仲間の覆面のんに後ろから腹を刺されて、窓から突き落とされたんや」
片車輪が淡々と話すのを聞き、颯介も祐斗も目を見張った。片車輪のここまでの話だと、むつが殺されたという事になる。