3話
コインランドリーに行くと、すでに乾燥は終わっており、次の人が使う為にか出されて備え付けの棚に置いてあった。祐斗はそれをきちんと折り畳むと、ごみ袋の中に入れた。
「袋、他になかったんか?」
「ない。良いんだよ、使い終わった袋は本来のごみ袋としてまた使うんだから」
毛布の入ったごみ袋を持った、祐斗と片車輪は事務所に戻る為に歩き出した。特に会話はないが、それほど苦になるわけでもなかった。事務所までの道のり、片車輪は大きな欠伸をしていた。
「寝てないのか?」
「せやな昨日は寝てへんな。けど、犬神さんもまだ休んでおらんやろうし、わしが先に休むのは申し訳ないやん?」
「そうか?休める時に休んで、みんなのフォロー出来るようにしとくのも大事じゃないか?ま、俺も大して出来る事ないし、みんながあちこち行ってるのにのんびり寝るのって何か嫌だけどさ」
仕事ではむつと颯介のフォローが必要な時が多いのに、むつと颯介のフォローに回ってきちんと出来ているか自信のない祐斗は、片車輪の今の気持ちがよく分かるようだった。
「谷代君も大変なんやな。小さいのに、頑張ってて偉いな」
「小さいは余計だよ‼片車輪がデカいんだよ」
「何や?身長の話やないで?子供なのにって」
「子供じゃなあーい‼二十歳過ぎたし」
「せやけど、わしらからしたら子供やでな」
片車輪は、からからと笑っていたがぴたりと笑うのを止めると、立ち止まった。祐斗は言い返そうと、口を開いたが片車輪が急に真剣な顔付きになったのを見て、祐斗も笑みをしまった。