どう考えてみても必要不可欠だと思われる『Be割烹』のあとがき
このような作品と相なりましたが、ネガティブな含蓄はありません。不正のない人気作には相応の理由が存在し、大勢の方々から好評を得ているのだと信じているからです。どんなに悪評されていようと、たくさんの支持を受けている事実はゆるぎません。
すべての作品には魅力となっている「取り柄」と、切り捨てたことで「弱み」となっている部分があるものです。つまりは、「一長一短」です。
『視点は一人称を採用するのか、三人称を採用するのか』
『文体は軽くするのか、重くするのか』
『物語は素早く展開させるのか、じっくり描写していくのか』
『世界観はリアルに構築するのか、けれんたっぷりに構築するのか』
『楽しませる対象は小中学生を含むのか、大人こそが楽しめる内容にするのか』
一方を選べば、もう一方は作品の穴となってしまいます。逆をいえば、ここぞという場面では武器にも成り得ますが。
そんな作品の「コンプレックス」と、的確でも誤解が生じたままの「指摘」——とりわけ現実に依拠した検討などに対して、一読者として人並みに「面白み」を感じていました。
あるとき、その「面白み」を作品として娯楽に転化させる案が浮かび、隠された教訓と共にブーメランという言葉を迂闊にも頭の片隅へと追いやりました。
これが当作品を作成するにいたった経緯です。
冒頭にも記したとおり、批判的な他意はいっさいありません。面白がる気持ちは確かに存在していますが、悪意などではございません。
一長一短の弱みばかりを抜き出した批判だけではなく、作品の強みとなる部分が活かされているか否かも、評価における重要な要素であると考えます。また、作品の強み——面白みが自分にあわなかったからといって、他人が抱く感想も自分と同じだとはかぎりません。
ここからは普通のあとがきです。
なんか、箇条書きになりました。
——縛り——
雰囲気をぶち壊したくなかったので、まえがき枠・あとがき枠は、必要に迫られても利用しませんでした。本当は掲示板回のまえがきに、説明やら注記やら入れておきたかったんですけど断念しました。
——妥協——
当作品の特色を活かす目的で、モデルとした各サイトは写実志向をもって描写したつもりですが、細かいところはけっこう適当だったりします。とくに匿名掲示板での時間経過や、スレ住民らの書き込み回数・間隔あたりは捨て鉢気味に作成していました。
こういった作成者サイドの妥協ですが、読み手はどの程度許容できるものなのでしょうか? なんとなくですが、読み手が無意識のうちに定めている許容の限界値は、作品の取り柄と面白さがしっかりと伝わっているかどうかに関わっているような気がします。名作として評価されている作品の粗が好意的に受け入れられているのも、そのへんが明確化されているからなんでしょう。
——名前——
作中に登場するユーザーネームなどは検索にかけていません。被っていたらすいません。
追記
——投稿にあたって——
『小説家になろう』を題材にした作品があがっていたので、ユーザー登録を済ませて急ぎ足で投稿させていただきました。