大銀貨1枚・・・・・だと!?
ダンジョン都市ミルユーン
毎年観光客が百万人を超え、商売人や冒険者達で大賑わいしている。
都市の真ん中には冒険者ギルドがあり、いつもダンジョンに潜る人で満員になっている。
都市全体が8mを超える石壁で囲まれており、モンスターを寄せつけないのも
人気の秘密である。
「はあ〜やっとついたー」
都市の前の道には商売人や冒険者で長蛇の列ができている。
門の横には二人の騎士が立っている。
うーん、これは嫌な予感。まあ、無視して通るか。
「あ、ちょっと待ってください!ステータスプレートを見せて貰えますか?」
ステータスプレート?........この前読んだ本にはそんなもんがあったかな。
「何だそれ?」
「名前と性別を表すものです」
へえ、生徒手帳みたいなもんか。でも生憎今は持ってないな。
「なかったらどうすればいい?」
「その場合は冒険者ギルドで発行して貰うことになります」
冒険者ギルドねぇ。そんなファンタジーなもんがやっぱりあるのか。
「なら、どうすれば通れる?」
「うーん......困りましたねえ....」
「ちょっと隊長に相談してきます」
「あ、はい」
力に気付かれないようにしないとなぁ。∞とか有り得ない数字がバレたら即牢屋だろうし。
取り敢えずその騎士が帰ってくるまで、もう一人の騎士に話を聞くことにした。
「冒険者ギルドについて詳しく教えてください」
「お前、冒険者ギルドも知らないのか?」
どう答えようか。ラノベだったらたしか...
「東の国から来たので...」
よし、いけるか?
「はあ?東に国があるわけねえだろうが!海だ海!お前まさか魚人か?」
はい、無理でしたー。まあ、そんな上手くいかないよね。
「い、いえ。それより冒険者ギルドについて詳しく教えてください」
「まったく。しょうがねぇなあ。冒険者ギルドの冒険者はS,A,B,C,D,Eランクに分かれる。そしてEからDになる時とDからCになる時はギルド職員と戦うことになる。それ以降は貢献度や依頼をこなした数によって上がる。そして、モンスターにもランクがあってSSSからFだ。わかったか?」
「じゃあ、そこらへんにいる緑のやつは何ランクですか?」
「ゴブリンか?Fだ。お前も冒険者をやるならモンスターにも気をつけろよ」
「ありがとうございました。」
その時、丁度騎士が戻ってきた。
「はあ、はあ、......ステータスプレートが無くても大銀貨1枚でいいそうです」
いや、お金ないし!
「お金が無いんで借りてもいいですか」
「ああ、いいよ!」
こうして無事、都市に入った。