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呟き in アイナ peat.2

第一章

~ 荒唐無稽の繰り返し ~


『 無花果 ~ イチジク ~ fig 』

花言葉 : 《証明》


日常が非日常に変わる


これほど心地悪い感覚は無いと思った


移り変わる世界は必ずしも良い方向に向くとは限らないのだ



「また繰り返すのね」


  ~ ☆ ~


少女は『空から降ってきた音』を 《空の音》と呼ぶ事にした

そしてもう1つの音を 《漆黒》と呼ぶ事にした


《空の音》は 少女をただただ捜し続けていた

ただ残酷な姿だけを切り取り 留めている世界を走りながら

彼等は確実に 少女の元へと近付いていた

時にバラバラになった肉片と そこに散らばった『髪』を見て

時に地面に横たわり突き刺さる 大きな鉄筋に引っかかった『大きなリボン』を見て

時に焼け焦げた家の傍に落ちた 『絵の具の付いた服』の切れ端を見て

何度も何度も吐きそうになりながら 捜している

《漆黒》に手を引かれながら 《空の音》は確実に 少女の元へと近付いていた


少女は分かっていた

彼等と共に 『元の世界』に戻る事は許されないと

少女にとっては 残酷で 冷酷なその世界が 唯一の居場所だった

そこを離れる事は それまで培ってきたあらゆる物を 全て捨て去るのと同意だった

だから 彼女は拒んだ

彼等が自分に辿り着けないよう 自身の見た世界の全てを一直線に繋げた

それは世界の形を変える事

やがて空にも絶望が満ち 地底と呼べる場所にすら絶望だけしかなくなっていた


それでも 彼等が歩みを止める事は無かった

彼女は それを理解出来なかった

彼女は こう思っていた


―― 何故 私の事を覚えていないはずなのに ここに来たのか 私を 取り戻そうとしているのか


彼等は少女の事を知っていた

彼等は全てを知った上で 彼女の事を捜していた

否 何も知らないのに 彼女の事を捜していた

茜色に染まる空と自分を 少女はギュッと抱え込んだ

それは恐怖をごまかす為の動作だったのかもしれないし もしかすると意味は無かったのかもしれない

結局その答えを知るのは 少女だけしかいなかった

・・・・その 空間の中だけの話だが


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