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呟き in 藍菜

序 章

~ 始まりの奇跡 ~


『 風露草 ~ ゲラニウム ~ geranium 』

花言葉 : 《変わらぬ信頼》


物語の始まりは極々平凡である


しかし平凡すぎる物語は最早普通とは言いがたい


ただそれは限り無く普通の物語なのだ



「またつまらない1日が始まった」



   ~ ☆ ~

それは御伽噺に在るような ほんの一瞬の夢だと 《少女》は思った

《空から落ちてきた音》に目をやると それはキラキラ輝いて 《少女》を探し始めた

その時 《少女》は隠れていた

見つからないように 絶対に見つからない場所に隠れていた


《少女》は胸を撫で下ろすと どこかで無くした日記帳に書いた内容を 思い出せる限り思い出した

もっとも 日記の内容は 《少女》にとって忘れられない記憶

思い出せない事など 無かった

何時何分何秒 何処で何をしていたのか 何がどうしてそうなったのか

《少女》には 全て分かっていた

分かっていたから 沈まず 昇らない夕日に向かって 涙を零した


《空から落ちてきた音》は ずっと《少女》を探し続けている

放っておいても 飽きずに いつまでも《少女》を探しているだろう

それを知りながら 《少女》は出て行かなかった

出て行っても 何も出来ないと知っていたから

このままじっとしていよう そう 考えていたから

日常から切り離された世界

何も進まず しかし決して戻らず そして止まってもいない世界

それはただ 何も変わらないとしか言いようの無い世界


夢や希望からは離れている

無や絶望も無い

そこは ある意味では完璧な世界

そして大切な何かが欠落した世界

時間と時間の隙間

空間と空間の狭間

人という人が存在せず

ただ孤独と断絶が創り上げた ただ1人の人のためだけにある世界



《少女》のいる世界は そんな世界だった


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