恐怖の洋館 ー円卓の怨念編⑧ー
前回はやり過ぎたので暴力成分は抑え目に
見つけなければならない人の一人を発見した。
「見つけたぞ原田」
「その声は野原か!?」
原田は怪我をしていた。
じっと隠れて様子をうかがっていたようだった。
「剛力はいるか?」
「ああ」
「なら安全だな」
剛力がいることを知った原田は体の力を抜いた。
「懸命だと思うぞ。隠れていたのはいい判断だった」
私は少なくとも逆に返り討ちにしたり特攻したりするよりはいいと思った。
「真理はどうした?」
「……はぐれた。逃げるのに必死で、俺がけがをしたせいで分かれてしまった」
「そうか、気にするな」
「大丈夫だ。剛力がいる限りは絶対に化け物どもは手が出ないから」
「え、なんで?」
原田はこの中では知的に見えて一番のばかである。しかし、そんな彼でも疑問はあるようだ。
「……後で説明する」
私は適当にはぐらかした。
「真理ちゃん無事かな?」
「……妹はたくましいよ」
私は心配する二人を見て少しだけ安心していた。もう少し取り乱すと思ったが、どうやらそんなことはなかったようだ。
「……まぁ、少なくとも襲われる恐怖はないか」
何はともあれ、真理ちゃんを見つけないことには話は進まない。
「どっちに進んだか覚えてるか?」
あれだけ暴れた後だからか、賢者タイムに入った剛力が冷静に原田に質問していた。
「この奥だ。早く行こう」
「……」
野原が原田を背負い、私は二本の剣を持った。剛力は襲われたときに守りに入る護衛役。……というか剛力が荷物を持つと高確率で暴れて壊す。
しかし、さっきから剛力がやけに大人しい。何を企んでいることやら。
「原田、いいか?」
「ん?」
「どんな奴に追われた?」
「蜘蛛みたいなやつだ。顔は人のな」
「そうか」
三階の窓から見える景色は久しぶりに外を感じさせた。見えたのは墓地であったが。
しかしさっきから剛力の態度が解せない。何かと原田を気にかけているようだが……。
「……階段だな」
「下の階に行ったのかもね」
私たちがたどり着いたのは二階に下りる階段だった。真理ちゃんはこの階段から下に下りたのかもしれない。
「どうするお前ら?」
「……なるほどな」
「剛力?」
剛力は何かに納得したようにうなずき、にやりと口角を釣り上げた。
「原田、あいつはこっちに来たんだな? 蜘蛛もどきに追いかけられて」
「ああ」
「原田、ちょっとそこに立ってくれ」
剛力はなぜか足を負傷する原田を目の前に立たせた。
そして、剛力は予想外の行動に出た。
ゴキィ! っと突然原田の顔面を殴り飛ばしたのだった。
「なぁ!?」
「い!?」
原田はあのバカ時からにぶん殴られたのだからひとたまりもない。吹っ飛ばされてうずくまった。
「ご、剛力!? 気でも触れたか!?」
「アホ共よく見ろ。何が原田だってこのスカタン」
私が恐る恐る見たそこには、おぞましく奇形の化け物が転がっていた。
「うひぃ!?」
「……化けてたのか? 剛力説明を」
「後だ。一階に行くぞ。二人はそこだ」
なんだ? 剛力のこの冴えようは?
私は驚きを隠せずにいた。
何か胸騒ぎを感じた。
今回の成果
館に不穏な動き有
至急二人の救出を!